車がガス欠になったときの対処法・前兆を察知する方法を解説

車がガス欠になったときの対処法・前兆を察知する方法を解説

ガソリンの残量が少なくても車を走らせますが、限界を超えるとガス欠で動かなくなってしまいます。車がエンストしてしまうと、対処法が分からずにパニックになってしまう可能性もあります。

そうならないために、事前にガス欠の前兆を察知する方法と、車がガス欠になった際の対処法を把握しておきましょう。

車がガス欠になったときの対処法として、車を安全な場所に停車してから対応します。適切な連絡先に知らせる方法と、自力でガソリンスタンドに行く方法があります。これらの対処法ついて詳しく解説していきます。ガス欠の経験はないけれど、もしもの時の知識を身に着けておきたい方は必見です。

ガス欠の前兆を察知する方法

車はガソリンが切れると突然動かなくなるわけではなく、ガス欠になるまでの前兆があります。ガス欠の前兆をわかっておくことで、冷静な対応が可能となります。
ガス欠の前兆が現れた場合、ガソリンスタンドを探し、間に合わない場合は車を路肩など安全な場所に止めるようにしましょう。

ガス欠の前兆①車のスピードが出ない

ガソリンが少なくなっていることに気づかないでドライブをしていると、車のスピードが落ちます。

残りの燃料が少なくなってくると、アクセルを踏んでも加速ができない状態となってきます。速いスピードでドライブしていたのに、スピードが出しにくくなったとき、ガス欠の前兆の可能性があります。また、坂道、コーナーで思うようにスピードが出せないときもガス欠の前兆の可能性があるので注意しましょう

ガス欠の前兆①エンジンから異音・振動

ガソリンの残りが少なくなると、エンジンから普段とは違う異音や、振動がします。
異音や振動のタイプは車によって違いますが、「カタカタ」と乾いたような音が聞こえます。
振動は大きなものではないですが、小刻みに車が震えるようになります。

ガス欠の前兆①エンスト

車のスピードが出ない、エンジンから異音・振動がする状態のままでいると、最終的に車はエンストします。道路上でエンストしてしまう前に車を安全な場所に停車させる必要があります。

ガス欠には車を安全な場所に停車してから対応

車がガス欠になりそうな場合、まずは、近くのガソリンスタンドを探すことが必要です。完全にガス欠になる前にガソリンスタンドに行ければ給油が可能になります。

できるなら、ガス欠の前兆を見逃さずにガソリンスタンドにたどり着けるようにしたいところです。

渋滞などでガソリンスタンドに付く前にガス欠をしそうな場合は、車がエンストしてしまう前に車を安全な場所に移動させる必要があります。

車を安全な路肩に駐車する

車がガス欠をする前に、道路が広く余裕がある場合は、安全な路肩に寄せてから対処するようにします。

路肩に寄せる前に車がガス欠になった場合

路肩に寄せる前に車がガス欠になったり、安全な路肩がない場所でガス欠になった場合は、ハザードランプを点灯させて後続車との事故を未然に防ぐようにします。とにかく、後続車との衝突事故を防ぐことをまずは優先させましょう。

ガス欠が原因で車が止まり、その車に後続車が衝突する交通事故は過去にも事例があります。夜間には特に警戒が必要となっています。

道路上で車が完全に止まってしまったものの、近くに安全な場所がある場合は、車を自力で押して移動させます。ギアをニュートラルにしてから車から降り、車を押して移動できます。

1人のときには車のドアを開けて、フロントガラスの両脇にある柱の1つを押すとスムーズに動かすことができます。もし、可能であれば周囲の人に手伝ってもらうようにしましょう。
2人以上いる場合は、前後から押すようにしてスムーズに車を移動させられます。

適切な連絡先に知らせる方法

安全な場所に車を動かせたら、適切な連絡先に知らせます。適切な連絡先としては、「家族・友人」「近場のガソリンスタンド」「任意保険のロードサービス」「JAF」などから選択して連絡しましょう。

家族・友人

車のガス欠をした場所が、家族の近所や、友人の近所であるときは、「家族・友人」に連絡して助けを求めることができます。
自分の職場が近い場合は職員に連絡するという手段もあります。身近な人を呼ぶことで、車を動かすときに手伝ってもらったり、ガソリンスタンドまで牽引してもらうことも可能になります。

近場のガソリンスタンド

近場にガソリンスタンドがあるときは、そちらに連絡する方法があります。

車がガス欠をした事情と、場所を説明すると、ガソリンスタンドによっては善意でガソリンを持ってきてくれたりします。サービスとして行っている場合は配達手数料がかかることがあります。

少人数で経営しているガソリンスタンドは、ガソリンを持ってくることに対応してない場合も多いですので、対応してもらえるかを電話で確認しましょう。
ガソリンスタンドがガソリンを持ってくるのに対応してないときは、自分で取りに行くという方法もあります。

自動車保険(任意保険)のロードサービス

車がガス欠をしたときに、自動車保険(任意保険)に加入していると、ロードサービスの利用ができます。

自動車保険(任意保険)のロードサービスは、保険のサービスの一環となっているため、無料で対応してくれることが多く、夜間でも利用できるものもあります。ロードサービスを使うことによって等級が下がるという心配はありませんので安心して使うことができます。
ロードサービスに連絡した状況によって1時間以上待たされる可能性もあるため、その場合には別の手段を検討してもいいかもしれません。

自動車保険(任意保険)によっては、ロードサービス特約に入っていなければ、サービスを受けられない場合もあります。また、ロードサービスは無料でガソリン代は自己負担、10リットルまでのガソリンなら無料ということもあります。

夜間走行が多かったり、GWや年末年始の渋滞に巻き込まれる時期に車を走らせる場合は、ロードサービスに入っておくと安心です。
ロードサービスによっては、ガス欠以外にも、バッテリー上がり、タイヤのパンク、キー閉じ込め、落輪など、車を運転するうえでのトラブルにも対応できます。
自身の自動車保険(任意保険)のロードサービスついて事前に確認しておきましょう。

JAF(ジャフ)

JAF(一般社団法人日本自動車連盟)とは自動車に関する様々な業務を取り扱うほか、オーナードライバーの権益を保護する目的で設立された一般社団法人です。会員数約1,900万人で、会員優待施設は全国約47,000カ所あります。

JAF会員なら連絡するとほとんど無料でロードサービスを利用することが可能です。全国24時間・年中無休でいつでもどこでも駆けつけてくれます。

JAF会員は車単位の加入ではなく、加入している人に対するサービスなため、自分の車・バイクを運転していなくてもロードサービスを受けられます。

自動車保険(任意保険)のロードサービスには回数制限があるものが多いですが、JAF会員なら回数制限なしで利用可能です。

JAFのサービス内容

JAFに連絡すれば、以下のロードサービスを受けられます。有料会員に入会していれば、ほとんど無料で対応してもらえます。

バッテリー上がり・・応急始動作業(13,130円)
パンク・・・・・・・スペアタイヤとの交換作業(13,330円)
キー閉じこみ・・・・ドア開放作業(15,230円)
燃料切れ・・・・・・燃料切れ給油作業(PA、SA以外)(16,770円)
故障車けん引・・・・故障車を修理場まで運ぶ(13,130円)
落輪・・・・・・・・道路とほぼ平行にタイヤ1輪が落輪ときの引き出し作業(14,280円)
雪道でのスタック・・引き出し作業(30分以内の作業)(13,130円)
異音・異臭・・・・・点検作業(10,280円)

※バッテリーやガソリンなどの部品・油脂・燃料代は実費。
※けん引は15kmまで無料。15km超過1km毎に730円。
※表示価格はすべて税込金額(消費税10%)。

自動車保険(任意保険)のロードサービスであれば、車のトラブル対応は、保険会社と連絡している業者が行うため、地域、タイミングによって対応にバラつきが出てしまいます。

一方でJAFはロードサービスを専門としているため、全国どこでも均質で高品質のサービスを提供できるよう、隊員はさまざまな訓練や研修をおこなっています。

ガス欠になったときのJAFの費用

ガス欠になったときの対応として、JAF会員なら無料ですが、JAF会員以外の場合は下記の費用となっています。

昼間 8時~20時

・一般道路(8,380円)
・高速道路(SA、PA内)(10,480円)
・高速道路(SA、PA以外)(16,770円)

夜間 20時~8時

・一般道路(10,480円)
・高速道路(SA、PA内)(12,570円)
・高速道路(SA、PA以外)(19,900円)

JAF会員、非会員共にガソリン代金は実費です。軽油切れで、エアー抜き作業が必要な場合は別途作業料が掛かります。

JAF会員の費用

JAFの非会員だとロードサービスが高額になりますので、会員に入会しておくのもいいでしょう。会員になるために必要な金額は自動車保険(任意保険)よりも低めとなっています。

【個人会員】
入会金2,000円
年会費4,000円

【家族会員】
入会金無料
年会費2,000円

【法人会員】
入会金2,000円
法人特定会費2,000円
車両特定会費2,000円

JAFと任意保険を組み合わせて、より安心、安全に毎日車を運転することができるでしょう。

自力でガソリンスタンドに行く方法

車がガス欠になったときに、上記のように人や保険に頼らないでも自分自身で対応できることがあります。すぐ近くにガソリンスタンドがある場合や2台以上で走行していた場合には次の方法も検討してみましょう。

ガソリンスタンドまで車を押していく

ガソリンスタンドをすぐ目の前にして、車がガス欠になってしまったという場合は、ガソリンスタンドまで車を押していく方法があります。

自動車保険(任意保険)、JAFのロードサービスは到着までに時間がかかるため、すぐ目の前にガソリンスタンドがある場合は、この方法を検討しましょう。2人以上いればスムーズに車をガソリンスタンドまで運べます。

ガソリンスタンドに行き携行缶を受け取る

歩いていける範囲にガソリンスタンドがあっても、車を押すのは大変です。また、道が混雑していれば車を押していくのは危険です。

そのため、同乗者などがいる場合は、1人でガソリンスタンドまで出向いて、ガソリンを入れた携行缶を受け取る方法を選択できます。

ガソリンスタンドで事情を説明すると、ガソリンスタンドは携行缶を貸してくれたり、売ってくれたりする場合があります。ガソリンスタンドまで走行できる量のガソリンを携行缶に入れてもらい、その後、ガソリンスタンドまで運転して、ガソリンを満タンにしてもいいでしょう。

自分でガソリンを入れる際は静電気対策をしていないと、静電気による引火事故などの危険が伴うため、細心の注意が必要です。地面を手のひら全体で触れると、体内に溜まった静電気を逃がすことも可能ですが、ガソリンスタンドで携行缶を使った給油方法を確認しておきましょう。

1人で車を乗ってた場合は、ガソリンスタンドまで携行缶を取りにいっている間に路上駐車とみなされる場合があります。また、事故やトラブルが起きることもありますので、車から離れないようにできる対処法を取るようにしましょう。

2台以上で走行していた場合はけん引してもらう

2台以上で走行している場合に片方がガス欠になってしまった場合、もう一台にけん引してもらう方法があります。

これは、車にけん引ロープが車載されているときに、その場で直ぐに対応ができ、ガソリンスタンドまで車を移動できます。

「けん引免許」という言葉を聞いたことがある人なら、「車のけん引時は特殊な免許が必要」と考えるかもしれません。

けん引は「750kgを超える場合はけん引免許が必要」となります。軽自動車でさえ900キロあるので免許が必要になるかもしれないと思ってしまいます。しかし、故障車などのやむを得ない場合は、重量に関係なく普通車免許でもけん引することが可能になります。

けん引する場合、次の2つある条件を守らなくてはなりません。

・故障車側に普通運転免許を所有した人が乗車しなければならない。
・ロープでけん引する場合、5メートル程度の長さかつ、中央付近に白い布をつける必要がある。

けん引する車の操作は普段道路を走行するときとは異なり、難易度が格段に高くなります。1台の車が2台分引っ張っているため、ハンドルが重くなることや、曲がる際には後ろの車のことを考えて動かなければいけません。

ガス欠になっている車は操作が非常に難しいため、けん引する方もされる方も細心の注意が必要です。けん引の経験がない人はしない方法を選択するのが安全です。

まとめ

車がガス欠になったときの対処法
・車を安全な場所に停車してから対応する
・適切な連絡先に知らせるか、自力でガソリンスタンドに行く

この記事を読んでおくことで、ガス欠の前兆を察知する方法と、車がガス欠になった際の対処法を事前に把握しておくことが大切です。

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