ドライブレコーダーとは?役割・種類・選ぶポイントについて解説

ドライブレコーダーとは?役割・種類・選ぶポイントについて解説

ドライブレコーダーは、現代の交通社会において必須の安全機器となっています。車両の事故記録から日常の運転分析まで、その利用範囲は広く、多様なニーズに応える様々なタイプが市場に出回っています。

この記事では、ドライブレコーダーの概要、役割、画質性能、録画方法の種類、録画範囲の種類、取り付け方法の種類、追加機能などを詳しく解説します。また、購入時に考慮すべきポイントも紹介し、最適なドライブレコーダーの選び方を案内します。

安全運転をサポートし、万が一の事故に備えるためにも、ドライブレコーダーの選択は重要な意思決定です。それでは、ドライブレコーダーに関する基礎知識を、項目ごとに見ていきましょう。

 

ドライブレコーダーとは?

ドライブレコーダーとは、日本では「ドラレコ」とも略され、自動車に取り付けられる映像記録装置です。英語圏では「Dashcam(ダッシュカム)」または「Dashboard Camera(ダッシュボードカメラ)」と呼ばれます。ドライブレコーダーは主に自動車事故の状況記録のために使用され、運転安全の指導にも役立ちます。一般的には車に後付けされるタイプが主流です。ドライブレコーダーは、フロントガラスやダッシュボードに取り付けられたビデオカメラで、車外または車内外の様子や、GPSによる位置情報など様々な記録ができます。

ドライブレコーダーの役割とは?

事故処理の迅速化

ドライブレコーダーは、万が一交通事故が発生した場合に、その前後の状況を記録し、事故処理を迅速化するのに役立ちます。
交通事故発生時、通常は当事者の記憶や目撃者の証言に依存するため、事故の原因や過失の割合を決定するのに時間がかかります。しかし、ドライブレコーダーが事故状況を明確に記録していれば、原因の特定が容易になり、事故処理がスムーズに進行します。

理不尽な主張からの保護

事故において、被害者や加害者の意見が食い違ったり、相手が不正確な情報を提供したりする場合、ドライブレコーダーの映像が重要な証拠となります。これにより、不当な不利益を被ることを防ぐことができ、示談交渉においても有力な材料となります。

あおり運転対策になる

最近、特に注目されているのが「あおり運転」です。2020年6月に施行された道路交通法の改正により、あおり運転への厳しい罰則が設けられ、その施行から1年以内に100件以上の摘発がありました。これらの多くで、ドライブレコーダーの映像が重要な証拠として利用されました。

このように、交通事故やあおり運転の記録、そして運転行動の見直しによる事故防止など、ドライブレコーダーの導入は多岐にわたる利点を持ち、重要な役割を担っています。

ドライブレコーダーの画質性能

ドライブレコーダーにおける画質性能は、事故や違反の状況を正確に記録するために非常に重要です。以下のポイントが、高画質ドライブレコーダー選びの際の重要な基準となります。

解像度(画素数)

高画質な映像を録画するためには、200万画素以上の解像度が推奨されます。これにより、ナンバープレートや信号の色、標識などを鮮明に識別することが可能になります。

LED信号対応

LED信号は高速で点滅するため、非対応のドライブレコーダーでは正確に色を捉えられない場合があります。LED信号対応の機種を選ぶことで、信号の状態を正確に記録し、事故や違反の証拠として利用できます。

逆光補正機能:HDR/WDR

逆光補正機能のHDR(ハイダイナミックレンジ)/WDR(ワイドダイナミックレンジ)
は、映像の明るい部分と暗い部分の差を適切に調整し、黒潰れや白飛びを防ぐことで、全体的にバランスの取れた映像を提供します。特に夜間やトンネルの出口、逆光などの条件下での撮影において有効です。

高画質なドライブレコーダーを選択することは、日中だけでなく夜間や複雑な光条件下でも安心して運転できることを意味し、万が一の事故や違反時にはっきりとした証拠を残すことができます。

ドライブレコーダーの録画方法の種類

ドライブレコーダーの録画方法の種類について詳しく見ていきましょう。

常時録画タイプ

常時録画タイプは、エンジンをかけると自動的に録画を開始し、走行中や停車中にも映像を記録します。録画時間は使用するSDカードの容量に依存します。

衝撃感知タイプ

衝撃感知タイプは、車に衝撃(例えば衝突や急ブレーキ時)が加わった際に、その前後の映像を自動で記録します。

動体検知タイプ

動体検知タイプは、人や他の車両の動きを検知した際に録画を開始し、動きがなくなると自動で録画を停止します。これにより、不要な記録が防がれ、SDカードの寿命を延ばすことができます。

静止画記録タイプ

静止画記録では、ドライブレコーダーの本体スイッチを押すことで静止画が記録されます。

常時録画タイプは、事故発生前後だけでなく、通常の運転中の特性も把握するのに役立ちます。衝撃感知タイプや動体検知タイプは、事故や車上荒らしの際に衝撃が加わった時に、その映像をファイルとして保存します。

ドライブレコーダーにはそれぞれ異なる録画機能が搭載されているため、自身のニーズに応じて適切な録画方法を備えたモデルを選ぶことが重要です。

ドライブレコーダーの録画範囲の種類

ドライブレコーダーは録画範囲に応じて、主に以下の3つのタイプに分類されます。

前方1カメラタイプ(フロントカメラタイプ)

前方1カメラタイプは自動車の前方のみを録画する最もシンプルな形態です。本体価格が比較的リーズナブルで、取り付けも容易なため、前方の映像記録のみを求めるユーザーに適しています。

前後2カメラタイプ

前後2カメラタイプは、自動車の前方と後方にそれぞれカメラを設置し、両方の方向を録画します。この種類は近年特に人気があり、あおり運転や追突事故などの記録に有効です。

360°カメラタイプ

360°カメラタイプでは、一つのカメラが自動車の前方に設置され、360°の範囲をカバーします。後方の映像は完璧には捉えられないものの、前後左右の録画が可能で、バイクのすり抜けや幅寄せなどを記録するのに適しています。

これらの種類から、ユーザーは自分のニーズや予算に合わせてドライブレコーダーを選択することができます。前後の映像が必要な場合は前後2カメラタイプ、周囲の状況を広くカバーしたい場合は360°カメラタイプ、前方のみの記録を求める場合は前方1カメラタイプが適しています。

ドライブレコーダーの取り付け方法の種類

ドライブレコーダーの取り付け方法には主に以下の3つのタイプがあります。

分離型

カメラと録画装置が別々になっており、設置の自由度が高いのが特徴です。カメラ部分を車内の目立たない場所や、運転の妨げになりにくい位置に配置できます。レコーダー部分は操作がしやすい場所に設置できるため、よりカスタマイズされた設置が可能です。

一体型

このタイプでは、カメラと録画装置が一体となっています。取り付けが簡単で、一般的には分離型よりも価格が手頃です。一体型は、特に初めてドライブレコーダーを使う方や、簡単な設置を求めるユーザーに適しています。

ルームミラー型

このタイプはルームミラーに取り付ける形式で、前方の視界を遮ることが少ないです。特に視界を確保したいドライバーにとって適した選択です。

これらのタイプから、ユーザーは自分の車内の空間、設置の容易さ、予算などに合わせて最適なドライブレコーダーを選ぶことができます。分離型は設置の柔軟性を求める場合、一体型は手軽さと価格を重視する場合、ルームミラー型は視界の確保を最優先する場合に適しています。

ドライブレコーダーの追加機能

現代のドライブレコーダーは、映像と音声の記録という基本機能に加え、以下のような多様な追加機能を備えています。

駐車監視機能(パーキングモード)

エンジンが切られていても録画が続けられる機能です。これにより、当て逃げや車上荒らしを抑止し、証拠として使用することができます。

夜間機能(ナイトビジョンなど)

夜間や暗い場所での鮮明な映像を確保する機能です。これにより、夜間の事故や事件の記録が容易になります。

安全運転支援機能

前方車両との距離が近づいたり、車線を逸脱したりすると警告を発する機能です。ドライバーの注意喚起に役立ちます。

GPS機能

位置情報や速度を正確に記録する機能で、事故の場所や状況を特定するのに役立ちます。

モニター付き

 

記録した映像をその場で確認できるモニターが搭載されているタイプです。

これらの機能は安全運転や事故・犯罪防止に大いに役立ちますが、機能が多ければ多いほど価格も高くなる傾向があります。そのため、自分の必要とする機能を理解し、それに合ったドライブレコーダーを選択することが重要です。

ドライブレコーダーを選ぶポイント

ドライブレコーダーの選択において考慮すべき主要なポイントは以下の通りです。

画質の確認

事故時の詳細な状況や相手のナンバープレートなどを明瞭に記録できるように、高画質のカメラを選択することが重要です。さらに、夜間や暗い環境でも鮮明な映像を得られるナイトモード機能などの搭載も追加で検討すると良いでしょう。

録画範囲の確認

多くのユーザーが交通事故などの記録を目的としてドライブレコーダーを使用します。そのため、カメラの死角を最小限に抑えることが重要です。追突事故などに備えるなら、「前後2カメラタイプ」や「360°カメラタイプ」が有効です。

録画方法の検討

常時録画、イベント録画、動体検知録画など、様々な録画方法があります。自身の使用状況やニーズに合った録画方法を持つドライブレコーダーを選ぶことが大切です。

取り付け方法の考慮

一体型、分離型、ルームミラー型など、取り付け方法によっても選ぶべきドライブレコーダーは異なります。取り付けの容易さや車内のレイアウト、視界への影響などを考慮して選びましょう。

追加機能の有無を確認

駐車監視機能、安全運転支援機能、GPS機能など、様々な追加機能がドライブレコーダーには搭載されています。これらの機能が必要かどうかを考え、自分にとって重要な機能を備えたモデルを選択すると良いでしょう。

メーカーやブランドの信頼性

メーカーやブランドによっても品質やサポート体制は異なります。信頼できるメーカーやブランドから選ぶことも大切です。

これらのポイントを基に、自分の使用目的や条件に合ったドライブレコーダーを選ぶことが重要です。安全性や使いやすさ、予算などを総合的に考慮して最適な選択をしましょう。

まとめ

ドライブレコーダーとは?
ドライブレコーダー、日本では「ドラレコ」とも略され、自動車に取り付けられる映像記録装置です。

ドライブレコーダーの役割とは?
・事故処理の迅速化ができる
・理不尽な主張からの保護できる
・あおり運転対策になる

ドライブレコーダーの画質性能
・解像度(画素数)
・LED信号対応
・逆光補正機能:HDR/WDR

ドライブレコーダーの録画方法の種類
・常時録画タイプ
・衝撃感知タイプ
・動体検知タイプ
・静止画記録タイプ

ドライブレコーダーの録画範囲の種類
・前方1カメラタイプ(フロントカメラタイプ)
・前後2カメラタイプ
・360°カメラタイプ

ドライブレコーダーの取り付け方法の種類
・分離型
・一体型
・ルームミラー型

ドライブレコーダーの追加機能
・駐車監視機能(パーキングモード)
・夜間機能(ナイトビジョンなど)
・安全運転支援機能
・GPS機能
・モニター付き

ドライブレコーダーを選ぶポイント
・録画範囲と画質の確認をする
・録画方法の検討をする
・取り付け方法の考慮する
・追加機能の有無を確認する
・メーカーやブランドの信頼性を考慮する

この記事では、ドライブレコーダーの概要、役割、画質性能、録画方法の種類、録画範囲の種類、取り付け方法の種類、追加機能、選ぶポイントなどを解説しました。ドライブレコーダーは単に事故時の記録装置にとどまらず、日々の運転を見直すことで安全運転を促進し、あおり運転のような危険行為への対策としても重要な役割を果たします。

さらに、様々な録画方法や録画範囲、設置タイプが存在し、ユーザーのニーズに応じた選択が可能です。また、駐車監視機能やナイトビジョン、GPS機能などの追加機能は、安全運転支援や事故・犯罪防止に役立ちます。

ドライブレコーダーの選択に際しては、画質や録画範囲、取り付け方法、追加機能、メーカーの信頼性など、多くの要素を総合的に考慮することが重要です。自分の運転スタイルや車両の特性、使用目的に合ったモデルを選ぶことで、安全で快適な運転生活を実現しましょう。

 

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