軽自動車の寿命はどれくらい?平均使用年数と長く乗るポイント、買い替え時期を徹底解説

軽自動車の寿命はどれくらい?平均使用年数と長く乗るポイント、買い替え時期を徹底解説

「軽自動車は普通車よりも寿命が短い」と一般的に言われることが多いですが、実際には新車から廃車までの使用年数において、軽自動車のほうが普通車よりも長く乗られているというデータも存在します。特に近年の軽自動車は安全性能や走行性能の向上が著しく、丁寧にメンテナンスを行えば20年以上20万km以上乗り続けるケースも珍しくありません。

本記事では、最新の調査に基づく軽自動車の平均使用年数や、実際に気をつけたい乗り方の注意点、さらには買い替えを検討すべきタイミングについて詳しく解説します。「できるだけ長く、かつ安全に軽自動車を乗りたい」「買い替え時期を知りたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。

2023年時点での軽自動車の平均使用年数

軽自動車の平均使用年数は15.82年

軽自動車検査協会の最新調査によれば、2023年における乗用軽自動車の平均使用年数15.82年でした。これは、新車登録(軽自動車の場合は「届出」)から廃車に至るまでの年数を平均化したものを指します。この15.82年という数字は、近年の普通車の平均使用年数と比較しても長い傾向にあり、「軽自動車の寿命は短い」というイメージとは少し異なる結果といえるでしょう。

ただし、あくまでもこれは平均値であり、乗り方や整備状況によって大きく差が出るのも事実です。短距離走行のみを繰り返すなど、負担がかかる使い方をしていれば寿命を縮める原因になりますし、定期的なメンテナンスを欠かさず実施していれば大幅に延命が可能です。

「12年/12万km」が一つの目安ともいわれる

一般的に、軽自動車は普通車と比較して車体や部品の耐久性が若干劣ると見なされることが多く、「普通車の7〜8割程度の寿命」とされることもあります。現行の普通車の寿命目安が「13~15年、あるいは15万km以上」とされるケースが多いことから、その8割程度という基準に当てはめると、軽自動車の寿命は12年/12万kmが一つの目安となるわけです。

ただし、先述のように実際の平均使用年数は15.82年と長い数値が出ています。これは、丁寧な乗り方や定期的な整備によって、しっかり延命できることを示しているといえます。中には20年以上、20万kmを超えて乗り続けるオーナーも少なくありません。

軽自動車の寿命を判断するサイン

クルマの寿命を予測する上では、平均使用年数だけでは不十分です。ここでは、実際に買い替えを検討したほうがいいかもしれないと考えられる具体的なサインについて見ていきましょう。

1. 維持費の増加

古くなったクルマは燃費が悪化しやすく、さらに修理や点検費用がかさみがちです。エンジンや足回りのパーツ交換などの費用が増え始めたら、維持コストを計算してみることをおすすめします。

2. 年2回以上の故障

年式の古いクルマは、どうしても故障の頻度が高くなる傾向があります。年に何度も修理が必要になるようであれば、新しいクルマに乗り換えたほうが結果的にコストを抑えられるケースも多いでしょう。

3. 高額修理の発生

エンジン周りやミッションなど、主要部分に不具合が出ると修理費用が数十万円にのぼることもあります。その場合、同じ費用をかけるならばもう少し年式の新しい車両への買い替えも選択肢に入れるべきです。

4. 生産終了から10年以上経過

メーカーが部品の供給を打ち切ると、故障しても修理ができなくなったり、部品探しに時間・費用を要したりします。生産終了から10年を超えると必要な部品の入手が難しくなることが増えるため、クルマ自体に問題がなくても将来的な整備性を考えて買い替えを検討するケースもあるでしょう。

軽自動車を長く乗るときの注意点

「軽自動車はコストが安いから長く乗りつぶしたい」と考える人も多いですが、長期間乗るほど思わぬ部分で維持費が高くなったり、不便さが生じたりすることもあります。ここでは、軽自動車をできるだけ長く乗るにあたって知っておきたい4つの注意点を紹介します。

1. 燃費は徐々に悪化する

クルマは経年劣化にともない、どうしても燃費が下がっていきます。さらに、モデルチェンジを繰り返すことで最新型の燃費性能は大きく向上している場合が多く、年式の古い軽自動車との差は顕著になるでしょう

2. 修理費用や部品交換費用がかかる

クルマは7〜10年を超えると、消耗品以外にも不具合が出やすくなります。特にエンジン関連のトラブルや電装系の故障は、修理費用が嵩む場合が多いです。たとえ一回の修理費用が少額でも、長期間乗る中で積み重なるコストを考えると意外な出費になる可能性があります。

3. 13年目では税金が重課される

日本の税制ではガソリン車の場合、新車登録(軽自動車の場合は届出)から13年を経過すると自動車税自動車重量税重課(割増し)されます。税率は車両重量や排気量によって異なりますが、一般的には約20~24%程度の増額となるため、年々税コストが上がっていく可能性がある点にも留意が必要です。

さらに18年を超えると追加で重課されるため、税金だけを見ても長年の所有が必ずしも得とは限りません。

4. クルマ自体の価値が下がる

クルマは時間の経過とともに資産価値が下がり、一般的に10年を超えると売却時の査定額がほぼつかないことも多いです。軽自動車はもともとの車両価格が安いため、普通車以上に査定時の価値下落が早い傾向にあります。将来的に乗り換えや売却を視野に入れている場合は、早めのタイミングで検討したほうが損失が少なくなるでしょう。

買い替えを検討すべきタイミング

軽自動車の寿命のサインが出始めていなくても、将来的なコストや安全性を踏まえると買い替えを検討したほうがいいタイミングがいくつかあります。ここでは、代表的な4つのタイミングを紹介します。

1. 車検前

車検前はまとまった費用がかかるため、これを機に「乗り続けるか」「買い替えるか」を検討するとよいでしょう。特に5年目や7年目の車検タイミングでは査定価格にもまだ期待が持てる場合があります。9年目以降になると査定がつかないケースも多いので、早めの査定依頼がおすすめです。

2. 走行距離が8万kmを超える前

軽自動車では一般的に、1年あたり8000km程度の走行距離が目安といわれています。また、大きなトラブルなく乗れる距離の目安が8万km程度とされており、これを超えると査定額が大きく下がる場合が多いです。下取りや買取査定を考えているなら、8万kmを超える前に動くほうが有利でしょう。

3. 税金が重課される前

13年目を迎える前のタイミングも大きな転換点です。13年を超えると自動車税や自動車重量税が上がるため、所有コストが急上昇します。査定額自体は年式を重ねるほど下がりやすいですが、重課される前に売却すれば余計な税金負担を回避できる場合があります。

4. リセールバリューが大幅下落する前

クルマのリセールバリューは、モデルチェンジライバル車種の登場などによって大きく左右されます。特に、「間もなく新型車が登場する」という情報を掴んでいる場合、現行モデルの人気が低下し、一気に買取相場が下がる可能性が高いです。興味のある車種のモデルチェンジの時期を把握しておくと、売却のベストタイミングを逃しにくくなります。

中古で軽自動車を買う場合の年式選び

中古市場でも軽自動車は根強い人気があり、低年式でも比較的高値を維持していることがあります。価格重視であまりに年式の古いクルマを選ぶと、維持費がかさむだけでなく故障リスクも増すので要注意です。長く乗りたいと考える人には、高年式あるいは登録済み未使用車がおすすめです。初期費用はやや高くなるかもしれませんが、その後の故障リスクや修理費用を考慮すると、結果的にお得になるケースが多いでしょう。

軽自動車の寿命を伸ばす4つのポイント

軽自動車は普通車以上にメンテナンスがものを言います。長く乗り続けるためには、以下のポイントを押さえておきましょう。

1. 定期的に点検・交換作業を行う

クルマを長く使うための大原則は、定期的な部品の交換点検です。特に重要な項目と交換の目安は下記の通りです。

項目 交換の目安
バッテリー 2~3年に1回
エンジンオイル 半年~1年に1回
エンジンオイルフィルター エンジンオイル交換2回に1回
ブレーキオイル 1〜2年に1回または走行距離2万km
ラジエーター液(冷却水) 車検ごと(2年に1回)
タイヤ 4年に1回または溝1.6mm以下
タイミングベルト 走行距離10万km

これらの項目をしっかり把握し、定期的にチェックしていけば不意のトラブルを回避しやすくなります。費用を惜しんで交換時期を先延ばしにすると、結果的に大きな修理費用が発生するリスクが高まるため注意が必要です。

2. 定期的に洗車する

洗車をすることでボディの塗装面を保護し、錆の発生を防ぐだけでなく、小さな傷や異常に早く気づくきっかけになります。月1回程度を目安に洗車すると良いですが、花粉や黄砂のシーズンは1~2週間に一度のこまめなケアがおすすめです。洗車時にはライトの点灯やワイパー、タイヤの空気圧などを合わせて点検すると、より安全に乗り続けられます。

3. 適度に走らせる

長期間放置してしまうと、バッテリーが上がるだけでなく、エンジン内部のオイルが循環しないことで金属パーツが劣化しやすくなります。最低でも月に2回程度は10km以上、できれば高速道路を走行してエンジンをしっかり温め、潤滑するように心がけましょう。

4. 「急」のつく運転を控える

急ブレーキ急発進急ハンドルなど、“急”のつく操作はクルマ全体に負荷がかかりやすく、故障リスクや部品の消耗スピードを高めます。燃費も悪化するため、可能な限りスムーズな運転を心がけると良いでしょう。

まとめ

軽自動車は「普通車より寿命が短い」というイメージを抱かれがちですが、最新の統計データでは15.82年という長い平均使用年数が示されています。これは乗り方や整備状況次第で、軽自動車でも20年以上20万km以上乗り続けることが十分に可能であることを裏付ける数字といえます。

一方で、走行距離年数を重ねると修理費用税金燃費の悪化など、維持にかかるコストが増えていくのも事実です。13年を超えて税金が重課されるタイミングや、8万kmを超えて大きく査定額が下がる前など、買い替え時期の見極めは慎重に行う必要があります。また、モデルチェンジやライバル車種の登場により、クルマのリセールバリューが大きく変化する点も押さえておくと良いでしょう。

もし「今乗っている軽自動車を長く使いたい」と考えているならば、定期的なメンテナンス適度な走行、そしてのつく運転を避けるといった基本的なポイントを守ることが大切です。部品交換を先延ばしにせず、こまめに予算を確保しておくことで、結果としてトラブルが起こりにくくなり、寿命を長引かせられます。

軽自動車は維持費が安く、取り回しの良さも魅力的ですが、経年劣化や走行距離の増加にともなう問題は避けられません。長く乗ること乗り替えることのどちらが得かは、クルマの状態だけでなくライフスタイルや家計、さらには購入を検討している新車・中古車の情報にも左右されます。定期的に愛車の状態と今後の使用計画を見直し、ベストなタイミングで買い替えるか、またはさらに乗り続けるのかを判断しましょう。

安全性や快適性、経済性の面を十分に検討して、ぜひ満足度の高いカーライフを送ってください。

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