車のサイドミラーの修理費用はどこまで抑えられる?交換期間やDIY手順を徹底解説

車のサイドミラーの修理費用はどこまで抑えられる?交換期間やDIY手順を徹底解説

車の運転に欠かせない安全装備であるサイドミラーは、車体から飛び出しているぶん、ぶつけたり擦ったりして破損しやすい部位です。後方や側方の視界を確保できないと事故のリスクが高まるだけでなく、保安基準を満たせず車検に通らない可能性もあります。そのため、サイドミラーにトラブルを感じたら、なるべく早めに修理や交換の検討をすることが大切です。

サイドミラーの故障には、カバーの破損や軽微なキズから、ミラー本体やモーター部分の破損など幅広い症状があります。状況によっては修理費用や修理期間が大きく異なるため、「どの程度費用を見込めばいいのか」「どのくらいの期間が必要か」「自分で安く直す方法はあるか」など、気になる点は多いでしょう。

ここでは、サイドミラーの修理や交換にかかる費用・期間を中心に、自分で修理を行う際の手順や注意点、業者の選び方、車両保険の利用なども含めて詳しく解説していきます。サイドミラーのトラブルにお悩みの方は、ぜひ最後まで参考にしてください。

サイドミラー(ドアミラー)が壊れやすい理由

サイドミラーは、車両の左右両端に配置されているパーツです。バックミラーやデジタルミラーなどが普及しつつあるとはいえ、サイドミラーは後方・側面の視界を担う重要な安全装備であることに変わりはありません。どんな車種でも外側に突き出すかたちで装着されているため、道路や駐車場の障害物、他車との接触など、意外とぶつけやすいのが現状です。

サイドミラーは以下のような構造で成り立っています。

  • ミラー(鏡)部分
  • ミラーを保護するカバー
  • 車体に取り付けるためのベース部分
  • 角度調整や開閉を行うモーター(カバー内部に内蔵)

近年ではウインカーやカメラが内蔵されているタイプも増えているため、破損や故障の度合いによっては修理コストが高くなりがちです。たとえカバー部分だけのキズに見えても、内部のモーターや配線にダメージを与えている可能性もあるため、見た目の被害が軽微でも注意が必要です。

サイドミラーが故障したときの代表的な症状と対処法

サイドミラーのトラブルは見た目ですぐわかるケースもありますが、実際に操作してみないとわからない故障もあります。ここでは代表的な症状を整理し、それぞれの対処法を紹介します。

ミラー部分が割れている

サイドミラーの鏡面が割れている場合は、視認性が大きく落ちるため放置は危険です。軽いヒビならば早めの対策で済むこともありますが、割れがひどいと交換が必要となります。鏡面だけを交換できる場合もありますが、内部モーターまでダメージが及んでいる場合はサイドミラー全体の交換が必要です。割れたまま運転を続けると安全運転に支障が出るので、業者に相談するのが無難です。

サイドミラーが動かない・開閉しない

モーターによって角度調整や格納を行っているサイドミラーでは、スイッチを押しても動かない症状が見られることがあります。一時的な接触不良であれば、エンジンを再始動したりスイッチを何度か動かすことで改善するかもしれません。しかし、衝撃や経年劣化によるモーターの故障が原因の場合は、部品交換やサイドミラー全体の交換が必要です。

ぐらつき・ガタつき

サイドミラーがしっかり固定されておらず、手で触るとガタガタ動く場合は、ベース部分や内部のネジ、モーターの固定部が損傷している可能性があります。走行中にミラー自体が脱落するリスクもあるため、ぐらつきがあるなら早めに点検を受けましょう。ミラー部分の交換だけで対応できる場合もありますが、ベースの破損がひどい場合はユニットごとの交換が必要になることもあります。

カバー部分の破損やキズ

サイドミラーのカバーは外側から見える部分です。擦ったりぶつけたりしてキズや凹みができると、見た目が悪くなるだけでなく、内部パーツの保護機能が十分に果たせなくなることもあります。浅いキズであればコンパウンドなどを使って自力で目立たなくすることもできますが、深いキズや割れがある場合は無理せずに業者へ依頼することが好ましいです。

カバー内にある配線やカメラ、ウインカーが損傷していると、補修だけでは済まない場合もあるため、まずは状態を正しく把握することが大切です。

サイドミラーが故障した状態で走行するリスク

サイドミラーの故障内容によっては、「少しくらい壊れていても運転できるのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、道路運送車両の保安基準では後写鏡(バックミラーやサイドミラー)の規定があり、明らかに視界が確保できない状況だと車検に通りません。

また、運転時に視界が不十分な状態は、事故リスクを高めるのはもちろん、整備不良として道路交通法違反になる可能性もあります。「とりあえず見えているから大丈夫」と楽観視せず、安全のためにも早めに修理や交換を検討しましょう。

サイドミラーの修理や交換を依頼できる業者

サイドミラーの故障対応は、ディーラーや整備工場、カー用品店などさまざまな場所で行っています。店舗ごとにサービスの特徴や費用が異なるため、まずは自分の要望に合ったところを選ぶことが大切です。

ディーラー

メーカー系ディーラーは、純正部品を用いた修理を行うため品質面で安心感があります。修理と同時に他の部位の点検やメンテナンスを受けられるケースも多く、総合的にアフターサービスが充実している点もメリットです。ただし、工賃が比較的高い傾向にあるため、予算を抑えたい場合は見積もりをしっかり確認しましょう。

整備工場

地域に根差した整備工場では、ディーラーと比べて柔軟に対応してくれるケースが多く、リビルト品や中古部品を使用して修理費用を抑えられる場合もあります。車検や定期点検で利用実績がある工場なら、担当スタッフに気軽に予算相談できる点も魅力です。

カー用品店

車のパーツやアクセサリーを幅広く取り扱っているカー用品店でも、サイドミラーの修理や交換に対応している場合があります。汎用ミラーやカバーなどの在庫が豊富で、手軽に相談しやすいことがメリットです。軽微なキズであれば、コンパウンドなどの補修用品を購入して自力で直すアドバイスを受けられることもあります。

ガソリンスタンド

ガソリンスタンドの中には整備士が常駐しているところもあり、軽微な修理を受け付けているケースがあります。近所にあるならば便利ですが、修理専業ではないため大型部品の交換やモーターの修理など複雑な作業は対応できない場合がある点に注意しましょう。

サイドミラーの修理費用の相場

サイドミラーの修理費用は故障の度合いや交換パーツの種類、業者によって大きく変動します。概ねの目安は以下のようになります。

  • カバー部分の軽い擦り傷:1,000円程度~(コンパウンドや簡易補修で済む場合)
  • ミラー部分のみの交換:1万円前後~(車種や純正品・社外品によって異なる)
  • ミラー全体の交換:2万~5万円前後
  • ウインカーやカメラなど電装品の故障を含む交換:さらに高額になる可能性あり

国産車と輸入車、またディーラー純正部品かどうかでも費用は異なります。同じ車種でもグレードや年式によって部品の価格が違うケースがあるため、まずは業者に見積もりを依頼するのが確実です。

サイドミラーの修理期間の目安

軽度の傷消しやカバー交換なら30分~数時間で完了することがあります。しかし、モーター故障や配線トラブルが絡むと修理作業が複雑化し、部品取り寄せに時間がかかることも少なくありません。部品が国内在庫になく取り寄せに時間を要する場合や、整備工場の混雑状況によっては1か月以上かかるケースもあります。

日常的に車が必要な方は、代車の手配が必要になるかもしれません。修理期間や代車の利用可否などを含めて、事前に業者に相談することをおすすめします。

サイドミラーの修理費用を抑えるコツ

サイドミラーの修理や交換には、どうしてもまとまった出費が伴いがちです。そこで、費用を少しでも抑えるためのコツをいくつか紹介します。

保証期間の有無をチェック

新車を購入してから数年以内ならメーカー保証が適用される場合があります。部品の不具合や製造上の問題が原因であれば、無償修理や部品代の割引といった対応を受けられる可能性があるため、まずは保証内容を確認するとよいでしょう。

複数の業者で見積もりをとる

同じ修理内容でも、ディーラー・整備工場・カー用品店などで費用に差が出ることがあります。数万円単位で変わるケースもあるため、時間が許せば複数の業者から見積もりをとり、比較検討するのがおすすめです。ただし、金額だけでなく、作業の質や部品の信頼性なども考慮して総合的に判断しましょう。

リビルト品や中古部品を活用する

整備工場では、新品パーツのほかにリビルト品(再生部品)や中古部品を扱っていることがあります。新品を使うよりも部品代を抑えられますが、その分、性能や耐久性にムラがある場合もゼロではありません。信頼できる業者であれば、状態の良い部品を選定してもらえるので、予算とクオリティのバランスを考慮して相談してみましょう。

サイドミラーを自力で修理する方法

自分で修理を行えば、工賃がかからないぶん費用を抑えられるメリットがあります。ただし、サイドミラーは車体から外すと配線やモーターを扱う場合があり、DIYでの作業は難易度が高いです。破損の程度が深刻な場合は、かえってトラブルを悪化させる恐れもあるため、慎重な判断が求められます。

軽微なキズはコンパウンドで補修可能

カバー表面に浅いキズがある場合、コンパウンドという研磨剤を使うことでキズを目立ちにくくできます。作業手順の一例は以下のとおりです。

  1. 洗車して汚れを落とし、サイドミラーを清潔な状態にする。
  2. キズをつけたくない箇所をマスキングテープなどで保護する。
  3. 濡らしたスポンジにコンパウンドをつけて、キズ周辺を優しく研磨する。
  4. 研磨後、きれいな布で拭き取り、最終的な仕上がりを確認する。

コンパウンドは粒子の粗さが異なる数種類を段階的に使うと、よりきれいに仕上がりやすくなります。研磨しすぎると余計に塗装面を削ってしまうため、力加減には十分注意しましょう。

ミラーやモーターを外す場合は要注意

鏡面や内部モーターの交換を伴う作業は、車体のパーツを外したり配線を扱ったりする必要があります。誤った組み付けや配線の取り回しをすると、動作不良や車体側の故障につながるリスクもあります。自信がない場合は無理をせず、専門業者に任せることをおすすめします。

車両保険の利用は得か損か

サイドミラーの修理に車両保険を適用することも可能です。車両保険は、交通事故はもちろん単独事故や当て逃げなど、自分の車に生じた損害を幅広くカバーしてくれます。ただし、保険を使うと等級が下がり翌年からの保険料が上がるケースが多いため、少額の修理費用しかかからない場合は保険を使わずに自己負担したほうが得策かもしれません。

事故やぶつけた状況によっては免責金(自己負担額)が設定されている場合もあるため、実際に保険を利用してどの程度の自己負担が発生するかを比較したうえで、長期的な保険料負担も考慮して決めましょう。

まとめ

サイドミラーの故障や破損は、見た目が気になるだけでなく、後方確認が不十分になることで安全運転の大きなリスクとなります。車検にも影響する可能性があるため、「カバーに少しキズがあるだけ」と油断せず、気づいた段階で点検・修理を検討することが大切です。

修理や交換の費用は数千円から数万円と幅がありますが、故障が深刻化するほど費用も膨らむのが一般的です。軽度なキズ程度ならコンパウンドで自力補修するのも一つの手ですが、鏡面割れやモーター故障などが起こっている場合は専門業者への依頼が安心です。ディーラーや整備工場、カー用品店など複数の業者を比較検討して予算や仕上がりの希望に合った修理先を探しましょう。

また、車両保険の利用を考える場合は、翌年以降の保険料アップと実際の修理費用を冷静に比較することが重要です。保証期間内のトラブルならばメーカー保証が利く可能性もあるため、新車購入後間もない方はまずディーラーに相談してみるのがおすすめです。サイドミラーの故障を放置せず、適切に対処して安全なカーライフを送りましょう。

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