ドライブレコーダーの設置方法 – 正しい設置方法で効果を発揮

ドライブレコーダーの設置方法 – 正しい設置方法で効果を発揮

近年、あおり運転や交通事故の増加に伴い、ドライブレコーダーの需要が高まっています。ドライブレコーダーは、万が一の事故の際に、証拠映像を記録し、事故の真相解明や過失割合の判断に役立ちます。また、あおり運転の抑止力としても効果が期待されています。しかし、ドライブレコーダーを設置していても、設置方法が間違っていると、肝心な時に映像が記録されていなかったり、視界の妨げになったりする可能性があります。

この記事では、ドライブレコーダーの正しい設置方法について詳しく解説します。適切な位置に設置することで、ドライブレコーダーの性能を最大限に発揮させ、万が一のトラブルからあなた自身を守りましょう。

ドライブレコーダーの種類と特徴

形状による分類

ドライブレコーダーには、大きく分けて「一体型」、「セパレート型」、「ミラー型」の3つの形状があります。それぞれの特徴を理解し、自分の車や用途に合ったタイプを選ぶことが重要です。

一体型

カメラ、モニター、記録媒体などがすべて一体になっているタイプです。設置が簡単で、価格も比較的安価なものが多いのが特徴です。初心者の方におすすめのタイプです。ただし、本体サイズが大きい場合、フロントガラスに設置すると視界の妨げになる可能性があるため、設置位置には注意が必要です。

セパレート型

カメラと本体が別々になっているタイプです。カメラを小型化できるため、フロントガラスに設置しても視界の妨げになりにくいというメリットがあります。また、本体をダッシュボード内などに隠して設置できるため、車内の見た目をスッキリさせたい方にもおすすめです。ただし、一体型に比べて設置が複雑で、価格も高価な傾向があります。

ミラー型

ルームミラーに被せて取り付けるタイプです。カメラがミラーに内蔵されているため、別途カメラを取り付ける必要がなく、見た目がスッキリします。また、通常のルームミラーとしても使用できるため、車内のスペースを有効活用できます。ただし、車種によっては取り付けできない場合や、純正ミラーの機能が使用できなくなる場合があるため、事前に確認が必要です。

カメラの数による分類

ドライブレコーダーは、カメラの数によっても分類されます。前方を撮影するだけの1カメラモデルから、前後左右を撮影できる360度カメラモデルまで、様々な種類があります。

1カメラモデル

前方を撮影するカメラのみを搭載したモデルです。価格が安く、設置も簡単です。しかし、後方や側方の状況は記録できないため、後方からの追突事故や側方からの衝突事故の証拠映像としては不十分な場合があります。

2カメラモデル

前方と後方を撮影できるカメラを搭載したモデルです。1カメラモデルに比べて、後方からの追突事故などの証拠映像を記録できるため、より安心です。近年では、2カメラモデルが主流となっています。

360度カメラモデル

全方位を撮影できるカメラを搭載したモデルです。車両の周囲をほぼすべて記録できるため、あらゆる角度からの事故に対応できます。また、駐車監視機能と組み合わせることで、駐車中の当て逃げや車上荒らしの対策としても有効です。ただし、他のモデルに比べて価格が高価で、データ容量も大きくなるため、記録媒体の容量にも注意が必要です。

ドライブレコーダーの設置場所

フロントガラスへの設置

ドライブレコーダーをフロントガラスに設置する際には、法令で定められた取り付け位置を守る必要があります。

法令で定められた取り付け位置

道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2017.6.22】別添37によると、ドライブレコーダーは、以下のいずれかの位置に取り付けなければなりません。

  • ガラス開口部の実長の20%以内の範囲
  • 車室内後写鏡(ルームミラー)により遮へいされる前面ガラスの範囲

つまり、フロントガラスの上端から20%以内の範囲、またはルームミラーの裏側に設置する必要があります。これらの範囲外に設置すると、運転者の視界を妨げ、法令違反となる可能性があるため、注意が必要です。

推奨される設置位置

法令で定められた範囲内であっても、運転席から見て視界の妨げにならない位置に設置することが重要です。具体的には、ルームミラーの裏側、かつ助手席側がおすすめです。この位置であれば、運転者の視界を妨げず、かつ広い範囲を撮影することができます。

設置時の注意点

  • ワイパーの可動範囲: ワイパーの可動範囲内にカメラが来るように設置しましょう。雨天時でもクリアな映像を記録することができます。
  • エアバッグの作動範囲: エアバッグの作動範囲を避けて設置しましょう。万が一の事故の際に、エアバッグの展開を妨げないようにするためです。
  • ガラスの汚れ: フロントガラスが汚れていると、映像が不鮮明になる可能性があります。設置前に、ガラスをきれいに拭いておきましょう。

リアガラスへの設置

2カメラモデルや360度カメラモデルの場合、リアカメラをリアガラスに設置する必要があります。

推奨される設置位置

リアカメラは、リアガラスの上部中央に設置するのがおすすめです。この位置であれば、後方車両をしっかりと捉えることができ、後方からの追突事故などの証拠映像を記録することができます。

設置時の注意点

  • 熱線の影響: リアガラスには、曇り止め用の熱線が張り巡らされている場合があります。熱線がカメラの映像に映り込む可能性があるため、熱線を避けて設置するか、熱線の影響を受けにくいモデルを選ぶ必要があります。
  • プライバシーガラスの影響: プライバシーガラスが装着されている車両の場合、映像が暗くなる可能性があります。夜間撮影性能の高いモデルを選ぶか、設置位置を調整して、最適な映像を記録できるようにしましょう。

ドライブレコーダーの取り付け方法

両面テープでの取り付け

ドライブレコーダーの多くは、両面テープでフロントガラスやリアガラスに貼り付けて取り付けます。

取り付け手順

  1. 設置場所の確認: 上記で説明した設置場所を参考に、最適な位置を決めます。
  2. ガラスの清掃: 設置場所のガラスをきれいに拭き、汚れや油分を取り除きます。
  3. 両面テープの貼り付け: ドライブレコーダー本体またはブラケットに、付属の両面テープを貼り付けます。
  4. 本体の取り付け: 慎重に位置を確認しながら、ドライブレコーダーをガラスに貼り付けます。
  5. 角度調整: カメラの角度を調整し、最適な映像が記録できるようにします。

注意点

  • 強力な両面テープを使用する: ドライブレコーダーは、走行中の振動や衝撃で落下する危険性があります。そのため、強力な両面テープを使用し、しっかりと固定することが重要です。
  • テープの貼り直しは避ける: 一度貼り付けた両面テープを剥がして貼り直すと、粘着力が低下し、落下の原因となります。慎重に位置を確認してから貼り付けましょう。

吸盤での取り付け

一部のドライブレコーダーでは、吸盤を使ってフロントガラスに取り付けるタイプもあります。

取り付け手順

  1. 設置場所の確認: 両面テープと同様に、最適な位置を決めます。
  2. ガラスの清掃: 設置場所のガラスをきれいに拭き、汚れや油分を取り除きます。
  3. 吸盤の取り付け: 吸盤をガラスに押し付け、レバーを操作して空気を抜き、しっかりと吸着させます。
  4. 本体の取り付け: 吸盤にドライブレコーダー本体を取り付けます。
  5. 角度調整: カメラの角度を調整し、最適な映像が記録できるようにします。

注意点

  • 定期的な確認: 吸盤は、時間の経過とともに吸着力が低下する可能性があります。定期的に吸盤の状態を確認し、必要に応じて再度吸着させましょう。
  • 温度変化に注意: 高温や低温の環境では、吸盤の吸着力が低下する可能性があります。特に夏場は、直射日光が当たる場所に長時間駐車すると、吸盤が外れやすくなるため注意が必要です。

配線処理

ドライブレコーダーの取り付けにおいて、配線処理も重要なポイントです。配線が露出していると、見た目が悪くなるだけでなく、運転の妨げになる可能性もあります。

配線の隠し方

  • Aピラー内部: フロントガラスとサイドウィンドウの間にあるAピラーの内部に配線を通す方法が一般的です。内張り剥がしなどの工具を使用すると、比較的簡単に配線を隠すことができます。
  • 天井の内張り: 天井の内張りに沿って配線を隠す方法もあります。この方法も、内張り剥がしなどの工具を使用すると、作業がスムーズに進みます。
  • ダッシュボード内部: ダッシュボード内部に配線を通すこともできますが、車種によっては作業が難しい場合があります。専門業者に依頼することをおすすめします。

配線処理の注意点

  • エアバッグの作動範囲: 配線処理の際にも、エアバッグの作動範囲を避けるように注意しましょう。
  • 断線のリスク: 配線を無理に引っ張ったり、曲げたりすると、断線の原因となります。慎重に作業を行いましょう。
  • 車両への影響: 車両の構造を理解せずに配線処理を行うと、車両に不具合が発生する可能性があります。自信がない場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。

まとめ

ドライブレコーダーは、万が一の事故の際に、重要な証拠映像を記録してくれる心強い味方です。しかし、設置方法が間違っていると、その効果を十分に発揮することができません。この記事で紹介した正しい設置方法を参考に、適切な位置にドライブレコーダーを取り付け、安全で快適なカーライフを送りましょう。

また、ドライブレコーダーの性能は、モデルによって大きく異なります。自分の車や用途に合ったモデルを選ぶことも重要です。この記事が、あなたのドライブレコーダー選びと設置の参考になれば幸いです。

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