エコカー減税・環境性能割、最新情報と対象車種の確認方法

エコカー減税・環境性能割、最新情報と対象車種の確認方法

「新しい車が欲しいけど、税金ってなんだか難しくてよくわからない…」「エコカー減税って言葉は聞くけど、自分の欲しい車が対象になるの?」

運転免許を取りたての方や、久しぶりに車の購入を検討している方にとって、自動車に関する税金は複雑で分かりにくいものですよね。特に「エコカー減税」や「環境性能割」といった制度は、名前は聞いたことがあっても、具体的な内容まで理解している方は少ないかもしれません。

しかし、これらの制度を正しく理解し、上手に活用することで、車の購入時や維持にかかる費用を大きく抑えることが可能です。

この記事では、自動車メディアのプロとして、エコカー減税と環境性能割という二つの優遇税制について、どこよりも分かりやすく、そして詳しく解説していきます。2025年以降の最新情報や、ご自身の気になる車が対象かどうかを確認する方法まで、丁寧に説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事を読み終える頃には、税金に関する不安が解消され、賢い車選びができるようになっているはずです。

まずは基本から!エコカー減税と環境性能割ってどんな制度?

車の税金と聞くと、少し身構えてしまうかもしれませんが、ここでは基本をしっかり押さえていきましょう。エコカー減税と環境性能割は、どちらも環境に優しい車の普及を目的とした、国が定めた税金の優遇制度です。

エコカー減税(自動車重量税の減税)

エコカー減税は、その名の通り「エコカー」を対象にした減税制度です。具体的には、新車を購入した時や、その後の車検の際に支払う「自動車重量税」が、燃費や排出ガスの性能に応じて減額または免除(0円に)されるというものです。

自動車重量税は、車の重さによって税額が決まるため、大きな車ほど高くなる傾向にあります。エコカー減税が適用されれば、この負担を大きく軽減することができます。

環境性能割(自動車税・軽自動車税の割引)

一方、環境性能割は、車を購入した時に一度だけ支払う税金です。以前は「自動車取得税」という名前でしたが、2019年10月に現在の名称に変わりました。

この税金は、車の燃費性能に応じて税率が変動するのが大きな特徴です。燃費の良い車ほど税率が低くなり、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)などは非課税、つまり0円になります。環境性能割は、新車だけでなく中古車を購入した際にも適用されます。

つまり、簡単にまとめると以下のようになります。

  • エコカー減税:新車購入時と車検時の「自動車重量税」が安くなる制度
  • 環境性能割:車購入時の「取得価額」にかかる税金が安くなる制度

どちらも、環境性能に優れた車を選ぶことで、お財布にも優しくなる、とても嬉しい制度なのです。

【2025年最新情報】エコカー減税・環境性能割はどう変わる?

さて、ここからが本題です。これらの優遇制度は、実は期間限定の措置であり、定期的に内容が見直されています。直近では、2025年5月から基準が変更されることが決まっており、車選びに大きな影響を与える可能性があります。

エコカー減税は2026年4月30日まで延長!ただし基準は厳しく

まず、エコカー減税(自動車重量税)ですが、現在の制度は2026年4月30日まで延長されることが決定しています。これは朗報ですが、注意点もあります。

それは、2025年5月1日以降に新車登録する車から、減税の対象となる燃費基準が引き上げられる、つまり厳しくなるということです。

現在(2024年1月1日〜2025年4月30日まで)の基準と、新しい基準(2025年5月1日〜2026年4月30日まで)を比べてみましょう。

2024年1月1日〜2025年4月30日までのエコカー減税(乗用車)

この期間は、2030年度の燃費基準をどれだけ達成しているかに応じて、減税率が変わります。

2030年度燃費基準 達成度自動車重量税の減税率
120%達成免税(100%減税)
90%達成50%減税
70%達成25%減税

電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、天然ガス自動車(NGV)は、燃費基準の達成度に関わらず、初回と2回目の車検時ともに免税となります。

2025年5月1日〜2026年4月30日までのエコカー減税(乗用車)

2025年5月1日以降は、減税を受けるためのハードルが上がります。

2030年度燃費基準 達成度自動車重量税の減税率
125%達成免税(100%減税)
100%達成50%減税
80%達成25%減税

ここでの大きなポイントは、免税の基準が「120%達成」から「125%達成」に引き上げられる点です。また、50%減税、25%減税の基準もそれぞれ厳しくなっています。

これにより、これまで減税対象だった車種が、2025年5月1日以降は対象外になったり、減税率が下がったりする可能性があります。

例えば、燃費基準達成度が120%の車の場合、

  • 2025年4月30日までに登録すれば「免税」
  • 2025年5月1日以降に登録すると「50%減税」

となり、購入のタイミングによって支払う税額に大きな差が出ることになります。

環境性能割も2026年3月31日まで延長!こちらも基準が変更

続いて、環境性能割についても見ていきましょう。こちらも2026年3月31日まで制度が延長されますが、エコカー減税と同様に、2025年4月1日から基準が変更されます。

環境性能割の税率は、燃費性能に応じて非課税(0%)、1%、2%、3%(軽自動車は2%)の4段階に分かれています。

2025年4月1日からの主な変更点

こちらも、より高い燃費性能が求められるようになります。特にガソリン車やハイブリッド車において、非課税や低い税率の適用を受けるための基準が厳格化されます。

例えば、普通車のガソリン車(ハイブリッド車含む)の場合、以下のように変更される予定です。

2030年度燃費基準 達成度2025年3月31日までの税率2025年4月1日からの税率
85%達成非課税(0%)1%
75%達成1%2%
60%達成2%3%

このように、同じ燃費性能の車でも、購入時期によって税率が変わってしまうのです。

車の購入を検討している方、特に納期がかかる人気車種を予約している方は、ご自身の車の登録がいつになるのか、販売店によく確認しておくことが重要です。

自分の欲しい車は対象?減税対象車種の確認方法

制度の概要は分かったけれど、結局のところ「自分が買いたいあの車は、どれくらい安くなるの?」という点が一番気になりますよね。ご安心ください。減税対象かどうかを調べる方法は、意外と簡単です。

1. カタログやメーカーのウェブサイトで確認する

最も手軽で基本的な確認方法は、自動車メーカーが発行しているカタログや、公式ウェブサイトを見ることです。

通常、車種ごとの紹介ページや諸元表(車の性能をまとめた表)の近くに、「エコカー減税」や「環境性能割」に関する記載があります。

「2030年度燃費基準125%達成」「自動車重量税 免税」「環境性能割 非課税」といった表記を探してみましょう。グレード(同じ車種でも装備などが違う種類)によって燃費性能が異なり、減税率が変わる場合もあるため、必ず希望するグレードの情報を確認してください。

2. 車に貼られているステッカーで確認する

新車のリアガラス(後ろの窓)には、その車の燃費性能を示すステッカーが貼られています。多くの場合、緑色の背景に「2030年度燃費基準 達成」といった文字と、達成率が書かれています。

このステッカーを見ることで、その車がどの程度の燃費性能を持っているのかが一目で分かります。

3. 販売店のスタッフに直接聞く

最も確実で安心な方法は、ディーラーなど販売店のスタッフに直接質問することです。「この車の購入を考えているのですが、エコカー減税と環境性能割は適用されますか?」「適用される場合、具体的にいくら安くなりますか?」と聞いてみましょう。

プロのスタッフであれば、最新の税制情報に基づいて、正確な見積もりを出してくれます。購入時期によって税額が変わる可能性についても、詳しく説明してくれるはずです。

4. 国土交通省のウェブサイトで確認する

少し専門的になりますが、国土交通省のウェブサイトでは、エコカー減税の対象となる車種の一覧が公表されています。また、「自動車重量税額照会サービス」を利用すれば、車検証の情報をもとに、次回の車検時にかかる重量税額を調べることも可能です。

  • 国土交通省 自動車:エコカー減税(自動車重量税)について
  • 自動車重量税額照会サービス(登録車)
  • 次回自動車重量税額照会サービス(軽自動車)

これらのサイトも参考にしてみると、より深く理解できるでしょう。

【具体例】どんな車種が優遇されるの?

では、具体的にどのような車種が税金の優遇を大きく受けられるのでしょうか。ここでは、代表的な車種のタイプをいくつかご紹介します。

免税・非課税の恩恵が最も大きい車種

以下の車種は、エコカー減税で「免税」、環境性能割で「非課税」となる、最も税金の優遇が大きいグループです。

  • 電気自動車(EV):日産「リーフ」、テスラ「モデル3」など
  • 燃料電池車(FCV):トヨタ「MIRAI」など
  • プラグインハイブリッド車(PHEV):トヨタ「プリウスPHEV」、三菱「アウトランダーPHEV」など
  • 天然ガス自動車(NGV):(主に商用車)

これらの次世代自動車は、走行中に二酸化炭素を排出しない、または排出量が極めて少ないため、最も手厚い優遇措置が取られています。

ハイブリッド車(HV)や燃費の良いガソリン車

ハイブリッド車や、燃費性能に優れたガソリン車も、その燃費基準の達成度に応じて大きな減税が期待できます。

  • トヨタ「ヤリス」「アクア」「プリウス」
  • ホンダ「フィット」
  • 日産「ノート」

これらのコンパクトカーやハイブリッド専用車は、非常に高い燃費性能を誇るため、多くの場合で「免税・非課税」またはそれに近い優遇を受けられます。

ただし、前述の通り、2025年5月からの基準変更により、これまで免税だったグレードが減税対象に変わる可能性もありますので、最新の情報を必ず確認するようにしてください。

クリーンディーゼル車はどうなる?

かつてはエコカー減税の対象として優遇されていたクリーンディーゼル車ですが、2024年1月1日以降、ガソリン車と同様に、2030年度燃費基準の達成度に応じて減税率が判断されるようになりました。

マツダの「CX-5」や「CX-60」などに搭載されているクリーンディーゼルエンジンは、力強い走りと燃費の良さが魅力ですが、税金の優遇という面では、ハイブリッド車などと比較して条件が厳しくなっています。

知っておきたい!環境性能割の計算方法

「環境性能割が、車の燃費性能に応じて決まるのは分かったけど、具体的にどうやって計算するの?」という疑問を持つ方もいるでしょう。ここでは、環境性能割の計算方法を少しだけ詳しく見ていきます。

環境性能割は、以下の計算式で算出されます。

環境性能割の税額 = 取得価額 × 税率

「税率」は、これまで説明してきた通り、車の環境性能によって決まります(非課税、1%、2%、3%など)。

ポイントは「取得価額」です。これは、実際に車を購入した金額そのものではなく、税金を計算するために定められた基準額のことを指します。

新車の場合の取得価額

新車の場合は、以下のようになります。

取得価額 = 課税標準基準額 + オプションの価格

「課税標準基準額」は、車種やグレードごとに定められており、おおむね車両本体価格の90%が目安です。これに、カーナビやエアロパーツといったオプション品の価格を加えたものが「取得価額」となります。

中古車の場合の取得価額

中古車の場合は、年式が古くなるほど車の価値が下がることを考慮して、計算方法が変わります。

取得価額 = 課税標準基準額 × 残価率

「残価率」は、新車登録からの経過年数に応じて定められた割合のことです。年数が経つほど残価率は低くなり、取得価額も安くなります。

なお、新車・中古車ともに、この計算で算出された取得価額が50万円以下の場合は、環境性能割は課税されません。

少し複雑に感じるかもしれませんが、「車の価値に対して、環境性能に応じた税率がかけられる」と覚えておけば大丈夫です。正確な金額は、販売店で見積もりを取る際に必ず確認しましょう。

まとめ:賢い車選びで、お財布にも地球にも優しく

今回は、エコカー減税と環境性能割について、2025年以降の最新情報を中心に詳しく解説しました。最後に、大切なポイントをもう一度おさらいしましょう。

  • エコカー減税(自動車重量税)は2026年4月30日まで、環境性能割は2026年3月31日まで延長が決定。
  • ただし、2025年からは両制度ともに減税・非課税の基準が厳しくなる。
  • 車の購入・登録時期によっては、支払う税額が大きく変わる可能性があるため注意が必要。
  • 対象車種かどうかは、カタログやメーカーサイト、販売店への確認が確実。
  • 電気自動車やプラグインハイブリッド車、燃費性能が極めて高いハイブリッド車などが最も優遇される。

自動車に関わる税金は、私たちのカーライフに直接影響する重要な要素です。少し複雑に感じるかもしれませんが、その仕組みを理解することで、より賢く、そしてお得に車を選ぶことができます。

これから新しいカーライフを始める皆さんにとって、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。環境に優しく、そしてお財布にも優しい一台を見つけて、安全で楽しいドライブを満喫してください。

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