【必見】最新の車上荒らし対策と自動車盗難を防ぐための万全ガイド

【必見】最新の車上荒らし対策と自動車盗難を防ぐための万全ガイド

自動車を所有している方にとって、車上荒らしや自動車盗難は常に気掛かりなリスクです。深夜から早朝にかけての時間帯や、人目につきにくい場所で起きるイメージがありますが、実は短時間の外出中でも被害にあう可能性は十分にあります。さらに、車両のタイヤやホイール、ドアミラーなど高額で転売しやすいパーツが盗まれたり、車内に置いていたカーナビやゴルフバッグ、現金などの貴重品が狙われたりと、多くの場合で大きな損失につながりかねません。
最近では、スマートキーの電波を悪用する「リレーアタック」や、クルマの制御コンピュータを直接ハッキングする「CANインベーダー」など、手口が高度化しているのも大きな問題です。本記事では、車上荒らしの代表的な被害やその手口、被害にあったときの対処法、さらに有効なセキュリティ対策や保険の活用方法などを網羅的に解説します。ご自身やご家族の愛車を守るためにも、ぜひ最後までご覧ください。

車上荒らしとはどんな被害?

車上荒らしとは、自動車の部品や車内に置いてある物を盗む行為を指します。自動車そのものを丸ごと盗難するケースとは少し異なりますが、犯行手段は年々巧妙化しており、いつ被害に遭ってもおかしくないのが実情です。
代表的な狙われるものには以下のような例があります。

  • タイヤホイールやバンパー、ドアミラーなどのパーツ
  • 車内のカーナビやオーディオ機器
  • バッグ類(ゴルフバッグ、スポーツバッグなど)
  • 現金や貴金属類
  • クレジットカードやETCカードなどのカード類

このほか、車内に置きっぱなしにしていたスマートフォンやノートパソコンなどの電子機器を盗まれることもあります。軽微なものでも盗難に遭えば大変な痛手となりますし、カード類が不正利用されれば金銭的ダメージだけでなく、個人情報流出などのトラブルを引き起こすおそれもあるでしょう。

特に注意したい時間帯や場所

一般社団法人日本損害保険協会が行った「自動車盗難事故実態調査」(2019年1月1日~2021年12月31日)によれば、車上狙いの半数以上が深夜から朝(22時~9時)に発生しています。夜間や早朝は人目につきにくく、音も届きにくい環境であるため犯人にとって好都合なのです。

また、場所としては以下のようなケースで被害に遭いやすいといわれています。

  • 街灯や防犯カメラが少なく暗い駐車場
  • 自宅から目が届きにくい離れた駐車スペース
  • 路上駐車や長時間の放置が目立つ場所
  • 大型ショッピングモールなどで、広範囲に車を駐車できる立体駐車場(死角が多い)

犯行を容易にする「暗さ」や「人目のなさ」は要注意です。短時間であっても施錠せずに車を離れたり、車内の貴重品が外から見えたりすると、格好の標的になりやすいので十分に注意しましょう。

車上荒らしで多用される代表的な手口

車両盗難の手口が高度化するなか、車上荒らしのやり方も巧妙になっています。古典的なガラス割りに加え、電子機器や車のシステムを逆手に取った攻撃が増え、被害規模が拡大しやすくなりました。ここでは代表的な3つの手口を詳しく見ていきます。

1. 窓ガラスを割って侵入するオーソドックスな手口

昔から最も多いのが、窓ガラスを割って車内に侵入する手口です。特に運転席や助手席の小さな三角窓は割れても目立ちにくく、かつ大きな音もしにくいので狙われがちです。ガラスを割り、中からドアを開けて車内を物色します。

犯人によっては、鍵穴や配線を細工してエンジンをかけ、一度車両ごと盗んでから人気のない場所に移動し、じっくり盗品を物色するという大胆な犯行を行うケースもあります。

2. リレーアタックでスマートキーを悪用

スマートキーは鍵をポケットに入れたままでもドアロックが解除できる便利な仕組みですが、その特性を悪用したのが「リレーアタック」です。スマートキーが常時発信している微弱な電波を、専用の受信機器でキャッチして増幅し、離れた場所にいる仲間に転送することでドアロックを開けます。

複数人で犯行に及ぶケースが多く、以下のような流れで行われます。

  1. 犯人の1人がオーナーのスマートキーに近づいて電波を受信
  2. 別の犯人が増幅した電波を受け取り、電子的にスマートキーをコピー
  3. 車両のドアロックが解錠され、車上荒らしや車自体を盗難

近年はリレーアタック防止用の金属ケースや防止ポーチが普及してきていますが、それを知らずに自宅玄関付近にスマートキーを置いていると、夜中に簡単に電波を拾われてしまうことがあるため注意が必要です。

3. CANインベーダーでコンピュータをハッキング

リレーアタックよりもさらに新しい手口として注目されるのが「CANインベーダー」です。自動車の制御コンピュータ(CAN: Controller Area Network)に直接侵入できる装置をモバイルバッテリー型などで偽装し、配線やコネクタに接続することで車両のロックを解除したり、エンジンを始動させたりします。

従来の「スマートキーの電波を奪う」「鍵穴をこじ開ける」という手口とは異なり、クルマ内部の電子回路にアプローチするため、セキュリティ機能をすり抜けやすいという厄介な特徴があります。特に高級車や人気車種を狙う犯人が増えているため、注意が必要です。

車上荒らし被害にあったらどうする?初動対応の流れ

車上荒らしに遭ってしまった際は、次のような手順で行動することが重要です。迅速な対応がその後の被害回復にも大きく影響します。

1. 警察に通報

もっとも優先すべきは警察に通報することです。被害に気づいた時点ですぐに110番し、現場の状況を伝えましょう。早めに連絡することで犯人の逃走を阻止できる可能性が高まり、周辺に不審者がいないか捜査してもらえます。

また、警察による現場検証(見分)が終わるまでは、勝手に車内を触らないことも大切です。犯人の指紋や足跡など、重要な手掛かりを消してしまう恐れがあります。

2. 被害状況の確認

警察の現場検証が終わったら、盗まれたものや破損の状況を詳しく確認しましょう。特に以下のものが盗まれた場合は、すぐに対応が必要です。

  • クレジットカードやETCカード
  • キャッシュカード
  • スマートフォンやタブレット端末

クレジットカードやETCカードは、発行元に連絡して利用停止の手続きを行い、不正利用を防ぎます。スマートフォンであれば、遠隔ロックや位置情報の消去などの対策を取れる場合もあるので速やかに行動しましょう。

3. 保険会社に連絡

車両保険や車内手荷物等特約に加入している場合、保険を適用できる可能性があります。車両保険を使うと翌年以降の保険等級が下がるため保険料が上がることはありますが、まずは修理費や盗難被害の金額を見積もったうえで、保険会社に問い合わせるのがおすすめです。補償が受けられるかどうか、受け取れる金額がいくらかを確認するだけであれば、等級が下がることはありません。

特に「車内手荷物等特約」をつけていると、車内に置いていた貴重品などの補償を受けられる可能性があるので、忘れずに保険会社へ連絡しましょう。

自動車保険で補償できる範囲とは?

車上荒らしによる損害は、自動車保険の「車両保険」あるいは「車内手荷物等特約」でカバーできる場合があります。どのような補償が受けられるのか、よく知っておくといざというときに役立ちます。

車両保険

車両保険とは、契約している自動車そのものの損害を補償する保険です。車体が破損されたり、パーツが盗難に遭ったりした場合に適用されることが多く、カーナビのようにクルマに固定されている装置も含まれます。

ただし、車両保険を使うと翌年度以降の保険等級が1等級下がり、事故有係数も加算されます。その結果、保険料が値上がりするため、被害額と保険金のバランスを検討してから利用するかどうか決める必要があります。

車内手荷物等特約

車内に置いていたバッグやゴルフクラブ、カメラなどの動産については、車両保険ではなく「車内手荷物等特約」で補償するケースが多いです。各保険会社で名称は異なることがありますが、内容は「車内に置いていた所持品の盗難や破損を補償する」という点で共通します。

もっとも、現金や宝石、スマートフォンなどは補償対象外になっていることもあり、適用範囲は保険会社や特約の内容によって変わります。カーナビについては「車体に固定されているものなら車両保険」「取り外し可能で置いているだけなら手荷物特約」というように扱いが分かれる可能性があるため、細かい部分は加入している保険の規約を確認しておきましょう。

車上荒らしを防ぐための具体的対策

ここからは、車両盗難や車上荒らし被害に遭わないための対策を具体的に紹介します。意外と見落としがちなポイントも多いので、一つひとつチェックしながら取り入れてみてください。

短時間でも必ず施錠する習慣を徹底

警察庁の統計によれば、「鍵をつけたままにしていた」「ドアを無施錠にしていた」ことで盗難被害が起きた割合は意外に高いです。「すぐ戻るから大丈夫」という油断が大きな落とし穴になります。コンビニや自宅の敷地内など、どんな場所でも車を離れるときは必ず施錠するように習慣づけましょう。

また、車に貴重品や高額なパーツ類(ホイールなど)が残っていると、それだけで狙われるリスクが高まります。外から見えやすい場所に物を置かないことも重要です。タオルなどで隠していても不審に思われれば逆効果になる場合もあるので、基本は「車内に何も置かない」ことがベストです。

防犯ブザーやドライブレコーダーで抑止力を高める

車両用の防犯ブザーを装着しておけば、ドアを開けた際に大きな警報音が鳴るため、犯人は盗難を諦めやすくなります。特にCANインベーダーのような電子的手口にも、ブザーが鳴る仕組みがあれば犯行を目立たせてしまうため、心理的な抵抗力になります。

また、ドライブレコーダーが装着されていることをアピールするステッカーを貼るのも有効な対策です。実際に録画されているかどうかに関わらず「ドライブレコーダー搭載車」と表示されているだけで、犯行をためらう犯人も多いといわれています。駐車場の防犯カメラや近隣監視カメラが設置されている環境を選ぶのも一手です。

スマートキーは電波を遮断できるケースやポーチに入れる

スマートキーを使う車の場合、リレーアタックを防ぐために「電波遮断ポーチ」や金属製のケースなどに保管するのが望ましいです。電波を完全にシャットアウトできれば、鍵本体が発している微弱電波を犯罪者に拾われる心配が減ります。

自宅で保管する際は玄関付近に置くのではなく、奥の部屋や鍵専用の金属ケースに入れるなど、電波が外に漏れにくい対策を取ることも効果的です。

イモビライザー搭載車を選択しセキュリティ強化

車を購入・買い替えの際には、イモビライザー(エンジンの始動にキーIDとの一致を必要とするシステム)搭載モデルを選ぶと安心感が高まります。最近の車種にはほぼ標準装備されていますが、古めの車種の場合はオプションや後付けでイモビライザーを強化できるケースもあります。

イモビライザーはリレーアタックのように鍵の信号を複製されただけではエンジンをかけられない場合が多く、防犯効果が高いです。ただし、最新のCANインベーダーではイモビライザー自体をバイパスされる事例も報告されているため、併せて物理的なロックや防犯ブザーなど多角的なセキュリティ強化を行うことが重要でしょう。

AirTagなどのスマートタグで位置情報追跡

万一車両そのものを移動されてしまった場合に備えて、AppleのAirTagなどのスマートタグを車内の目立たない場所に仕込んでおくのも有効です。スマートフォンから位置情報を追跡できるため、盗難直後に発見できる可能性が高まります。

ただし、スマートタグの存在が犯人に見つかってしまうと外される恐れがあるため、設置場所は厳重に工夫しましょう。荷物の奥底やシートの裏、ダッシュボード内部など、簡単に気付かれない場所に仕込むと対策効果がアップします。

防犯と保険の二重備えでリスクを最小化

車上荒らしを完全に防ぐのは難しいですが、防犯意識を高めて対策グッズを活用し、さらに保険で万一の出費を抑えられるようにしておけば、被害を最小限に抑えられます。

  • 日頃から「車内に物を残さない」「必ず施錠」を徹底する
  • スマートキーの保管方法を見直す
  • ハンドルロックや防犯ブザー、ドライブレコーダーなどのセキュリティを強化
  • 車両保険や車内手荷物等特約をつけて盗難補償を確保する

これらを複数組み合わせれば、犯人に狙われるリスクをぐっと下げられるうえ、被害時のダメージも最小限に抑えられるでしょう。

まとめ

車上荒らしは、誰にでも起こり得る身近な犯罪でありながら、ひとたび被害に遭えば高額な修理費やパーツ交換代、あるいは貴重品の盗難による金銭的被害など、大きなダメージを受ける可能性があります。自動車そのものが狙われるケースはもちろん、車両部品や車内に置いたかばんやカード類なども標的となり得るため、ちょっとした外出でも鍵をかける習慣は欠かせません。

さらに、スマートキーを使っている場合はリレーアタックへの対策を意識し、電波遮断ポーチや専用ケースを利用するなど、最新の手口を想定したセキュリティ強化が必要です。また、CANインベーダーのようにイモビライザーをバイパスする手口も登場しているため、物理的にハンドルをロックしたり、防犯アラームを設置したりと多面的な対策を講じましょう。

万が一、車上荒らしの被害に遭ってしまった場合は、迅速に警察へ連絡し、現場検証を待ってから保険会社に相談します。車両保険や車内手荷物等特約が使えるかどうかをしっかり確認し、カバーされる金額や次年度以降の保険料の変動などを考慮して適切に対処してください。

防犯グッズを活用することでリスクを抑止し、万が一のために保険で備えておく。両面からのアプローチが、愛車を守るうえでの最善策です。自宅周辺の駐車環境だけでなく、出先での駐車場選びやスマートキーの取り扱いまで、ぜひ本記事の対策ポイントを参考に実践し、大切なクルマを守り抜いてください。

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