車を運転していて突然のトラブルに見舞われた経験、またはいつか遭遇するのではないかという不安はありませんか?予期せぬ故障はドライバーにとって大きなストレスとなり、冷静な判断を難しくします。しかし、基本的な対処法を知っておくことで、パニックを抑え、迅速かつ適切な行動をとることができるのです。この記事では、車の故障でよくあるトラブルとそれぞれの対処法、そして信頼できる修理の依頼先について詳しく解説します。安全なカーライフを送るための知識を身につけ、万が一の事態に備えましょう。
車の故障で最もよくあるトラブルと対処法
ここでは、走行中やエンジン始動時に頻発する車のトラブルと、その際の具体的な対処法を紹介します。それぞれのトラブルには特徴的な症状があり、原因をある程度推測することが可能です。適切な対処法を学び、落ち着いて行動しましょう。
エンジンがかからない
車の故障で最も多いトラブルの一つが、エンジンがかからないというものです。エンジンがかからない原因はさまざまであり、バッテリー上がり、セルモーターの故障、燃料系のトラブルなどが考えられます。
エンジンがかからない時は、まず慌てずに状況を確認することが大切です。キーを回したとき、またはプッシュスタートボタンを押した時に、どのような音がするか、またメーターパネルの警告灯の点灯状態などを確認しましょう。
エンジンがかからず、セルモーターが全く回らない場合は、バッテリー上がりの可能性が高いです。ライトが暗い、または全く点灯しない場合も、バッテリー上がりを疑いましょう。バッテリー上がりの場合、ジャンピングスタートでエンジンを始動できる可能性があります。他の車から電気を分けてもらうか、モバイルバッテリー型のジャンプスターターを使用します。
セルモーターは回るがエンジンがかからない場合は、燃料系のトラブルや、点火系のトラブル、吸気系のトラブル、あるいはエンジン制御系(ECU)のトラブルが考えられます。このような場合は、残念ながら自力で解決することは難しいので、JAFなどのロードサービスや修理工場に連絡しましょう。
オーバーヒート
オーバーヒートとは、エンジンの冷却水温が異常に上昇し、エンジンが正常に動作しなくなる状態です。オーバーヒートの主な原因は、冷却水の不足、ラジエーターの故障、ウォーターポンプの故障、サーモスタットの故障などです。
オーバーヒートの兆候として、水温計の針がH(高温)を示す、エンジンルームから異臭がする、ボンネットから湯気が出ている、などの症状が現れます。オーバーヒートの状態で走行を続けると、エンジンに重大なダメージを与え、最悪の場合、エンジンが焼き付いてしまう可能性があります。
オーバーヒートの兆候が現れたら、速やかに安全な場所に車を停車させ、エンジンを切りましょう。ボンネットを開けてエンジンルームの熱を逃がしたいところですが、冷却水が噴き出す危険性があるため、すぐにボンネットを開けるのは危険です。エンジンが十分に冷えるまで待ち、冷却水の量を確認しましょう。冷却水が不足している場合は、応急処置として水を補充します。ただし、これはあくまでも一時的な対処法です。その後、必ず修理工場で点検を受けましょう。
走行中に異音がする
走行中に普段とは違う異音が聞こえる場合、車のどこかに異常が発生している可能性があります。異音の種類によって、トラブルの原因をある程度推測することができます。
例えば、「キーキー」という金属が擦れるような音は、ブレーキパッドの摩耗が原因である可能性が高いです。「ゴトゴト」という鈍い音は、サスペンションやステアリング周りの部品の劣化や損傷が考えられます。「カラカラ」という軽い音は、エンジン内部の部品の異常を示唆しているかもしれません。
異音が発生したら、まずは音の種類、発生するタイミング、発生する場所などを確認しましょう。異音が特定の状況で発生する場合は、その状況を再現することで、原因を特定しやすくなります。
異音の原因を特定することは難しい場合が多いため、早めに修理工場で点検を受けることをおすすめします。
タイヤのパンク
タイヤのパンクは、走行中のトラブルとしてよく発生します。パンクの原因は、釘やガラス片などの異物を踏む、タイヤの劣化、空気圧の異常などさまざまです。
パンクすると、ハンドルが取られる、車体が傾く、タイヤから空気が抜ける音がする、などの症状が現れます。パンクした状態で走行を続けると、タイヤやホイールが損傷するだけでなく、事故につながる危険性もあります。
パンクに気づいたら、速やかに安全な場所に車を停車させましょう。スペアタイヤを装備している場合は、スペアタイヤに交換します。スペアタイヤの交換方法は、車の取扱説明書に記載されています。スペアタイヤの交換に自信がない場合や、スペアタイヤを装備していない場合は、JAFなどのロードサービスに連絡しましょう。
近年では、スペアタイヤを搭載せず、パンク修理キットを装備している車も増えています。パンク修理キットは、あくまでも一時的な応急処置であり、使用後はできるだけ早くタイヤ専門店などで点検を受けましょう。
ライトが点灯しない
夜間走行中にライトが点灯しないと、視界が確保できず、非常に危険です。ライトが点灯しない原因としては、バルブ(電球)切れ、ヒューズ切れ、配線の断線などが考えられます。
ライトが点灯しないことに気づいたら、まずは安全な場所に車を停車させ、どのライトが点灯しないのかを確認しましょう。片側だけ点灯しない場合は、バルブ切れの可能性が高いです。両側とも点灯しない場合は、ヒューズ切れや配線の断線の可能性があります。
バルブ切れの場合は、新しいバルブに交換することで解決できます。バルブの交換方法は、車の取扱説明書に記載されています。ヒューズ切れの場合は、新しいヒューズに交換します。ヒューズボックスの位置や交換するヒューズの種類は、車の取扱説明書に記載されています。
配線の断線の場合は、自力での修理は困難です。修理工場に点検を依頼しましょう。
車の故障で慌てないための予防策
車の故障を完全に防ぐことは難しいですが、日頃からメンテナンスを行うことで、トラブルの発生リスクを減らすことができます。ここでは、車の故障を予防するための具体的な方法を紹介します。
定期的な点検
定期的な点検は、車の故障を予防する上で最も重要です。法定点検(12ヶ月点検、24ヶ月点検)だけでなく、日常点検も行いましょう。
日常点検では、エンジンオイルの量や汚れ、冷却水の量、タイヤの空気圧や摩耗状態、ブレーキパッドの残量、灯火類の点灯状態などを確認します。点検項目や点検方法は、車の取扱説明書に記載されています。
日常点検で異常を発見した場合は、早めに修理工場で点検を受けましょう。
消耗品の交換
車には、エンジンオイル、タイヤ、ブレーキパッド、バッテリーなど、定期的な交換が必要な消耗品が数多くあります。これらの消耗品を適切なタイミングで交換することで、故障のリスクを減らすことができます。
消耗品の交換時期は、車の種類や使用状況によって異なります。車の取扱説明書やメンテナンスノートに記載されている交換時期を参考に、計画的に交換を行いましょう。
適切な運転
急発進、急加速、急ブレーキなどの「急」のつく運転は、車に大きな負担をかけ、故障の原因となります。また、燃費の悪化や事故のリスクを高めることにもつながります。
安全運転を心がけ、車に優しい運転を心がけましょう。
信頼できる修理の依頼先を選ぶポイント
車の故障は、信頼できる修理工場に依頼することが重要です。ここでは、修理工場を選ぶ際のポイントを紹介します。
技術力
修理工場の技術力は、修理の質に大きく影響します。技術力の高い修理工場は、豊富な経験と知識を持つ整備士が在籍し、最新の設備を導入しています。
修理工場の技術力を判断する一つの目安として、整備士の資格があります。国家資格である自動車整備士資格には、1級、2級、3級、特殊整備士などの種類があります。1級自動車整備士は、高度な知識と技術を有していることを証明する資格です。
また、メーカーの認定工場は、一定の技術水準を満たしていることが認められています。
料金体系
修理費用は、修理工場によって異なります。修理を依頼する前に、見積もりを取り、料金体系を確認しましょう。
見積もりを取る際は、作業内容と費用が明確に記載されているかを確認しましょう。不明な点があれば、遠慮なく質問しましょう。
複数の修理工場から見積もりを取り、比較検討することも重要です。
対応
修理工場の対応も、重要なポイントです。電話や来店時の対応が丁寧で、質問に対して分かりやすく説明してくれる修理工場を選びましょう。
修理の進捗状況をこまめに連絡してくれるかどうかも確認しましょう。
口コミ
インターネットの口コミサイトやSNSなどで、修理工場の評判を調べることもできます。ただし、口コミはあくまでも参考程度にとどめ、最終的には自分で判断することが大切です。
アクセス
自宅や職場からアクセスしやすい場所にある修理工場を選ぶことも、利便性を考えると重要です。
まとめ
車の故障は突然発生し、ドライバーを不安にさせます。しかし、よくあるトラブルと対処法、そして信頼できる修理の依頼先を知っておくことで、冷静かつ迅速に対応することができます。定期的な点検やメンテナンス、適切な運転を心がけ、安全なカーライフを送りましょう。この記事で紹介した知識が、あなたのカーライフをより安心で快適なものにする一助となれば幸いです。