運転免許証の更新時に受講が義務付けられている「運転者講習」。しかし、その種類は優良運転者講習、一般運転者講習、違反運転者講習、初回更新者講習と多岐にわたり、それぞれ講習時間や内容、手数料も異なります。「自分はどの講習を受ければいいの?」「それぞれの講習ではどんなことをするの?」と疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。この記事では、運転免許更新時の運転者講習について、その種類と違い、具体的な内容などを詳しく解説します。この記事を読むことで、あなたが受けるべき運転者講習が明確になり、スムーズに免許更新手続きを進められるようになるでしょう。
運転者講習とは?
運転者講習とは、運転免許証を更新する際に受講が義務付けられている講習です。道路交通法の改正や最新の交通ルール、安全運転に関する知識を習得し、交通事故防止を図ることを目的としています。
運転者講習の種類と対象者
運転者講習は、過去5年間の交通違反歴などに応じて、以下の4種類に分けられます。
優良運転者講習(ゴールド免許)
過去5年間、無事故・無違反の優良運転者が対象です。いわゆる「ゴールド免許」の方が受講する講習で、講習時間は最も短い30分です。全国の運転免許センターや指定警察署で受講できます。
一般運転者講習
過去5年間に、軽微な違反(3点以下の違反)が1回のみの方が対象です。講習時間は1時間です。
違反運転者講習
過去5年間に、軽微な違反(3点以下の違反)が複数回あるか、もしくは4点以上の違反がある方が対象です。講習時間は2時間と最も長くなります。
初回更新者講習
初めて免許を更新する方が対象です。運転経験が浅いことを考慮し、安全運転の基礎知識を重点的に学びます。講習時間は違反運転者講習と同じく2時間です。
各講習の具体的な内容
各講習では、主に以下のような内容について学びます。
道路交通法の改正点
近年、あおり運転の厳罰化やながら運転の罰則強化など、道路交通法は頻繁に改正されています。講習では、これらの改正点を中心に、最新の交通ルールについて理解を深めます。
交通事故の現状と危険予測
全国や地域の交通事故発生状況を統計データなどを用いて分析し、どのような状況で事故が起こりやすいのかを学びます。また、事故を未然に防ぐための危険予測トレーニングを行います。
安全運転の知識
安全運転の5原則(安全速度を守る、カーブの手前でスピードを落とす、交差点では特に注意する、一時停止で安全確認、歩行者を保護する)などの基本的なルールや、高齢運転者や子どもの特性、飲酒運転の危険性などについて学びます。
運転適性検査(一般・違反・初回講習)
一般運転者講習、違反運転者講習、初回更新者講習では、運転適性検査が行われます。この検査では、動体視力や夜間視力などを測定し、自身の運転適性を客観的に把握することができます。
シミュレーターによる危険予測トレーニング(違反・初回講習)
違反運転者講習と初回更新者講習では、実際の運転場面を想定したシミュレーターを用いた危険予測トレーニングを行うことがあります。これにより、実践的な危険予測能力を養うことができます。
講習の受講場所
運転者講習は、主に以下の場所で受講できます。
- 運転免許センター
- 指定警察署
- 一部の指定自動車教習所
受講場所は、運転免許更新連絡書(はがき)に記載されています。優良運転者講習は、多くの場所で受講可能ですが、一般、違反、初回講習は指定された会場でしか受講できない場合があるので、注意が必要です。
講習を受ける際の注意点
運転者講習を受ける際には、以下の点に注意しましょう。
予約が必要な場合がある
特に違反運転者講習や初回更新者講習は、受講者が多いため、事前に予約が必要な場合があります。運転免許更新連絡書を確認し、必要であれば早めに予約をしましょう。
受講期間が決まっている
運転者講習は、免許証の有効期間が満了する年の誕生日の1か月前から誕生日の1か月後までの2か月間に受講する必要があります。この期間を過ぎると、免許更新ができなくなるので注意しましょう。
必要な持ち物を確認する
運転免許更新連絡書、運転免許証、筆記用具、手数料など、必要な持ち物を忘れずに持参しましょう。
高齢者講習について
70歳以上の高齢者が免許更新をする際には、運転者講習の前に「高齢者講習」を受講する必要があります。高齢者講習では、加齢に伴う身体機能の変化が運転に及ぼす影響や、安全運転を継続するための知識などを学びます。また、実車指導を含む講習もあります。
運転免許更新の流れ
運転免許更新は、一般的に以下の流れで行われます。
- 運転免許更新連絡書の受け取り: 運転免許証の有効期限が近づくと、公安委員会から「運転免許更新連絡書」(はがき)が届きます。
- 視力検査などの適性検査: 視力検査など、運転に必要な適性検査を受けます。
- 運転者講習の受講: 過去5年間の交通違反歴などに応じた運転者講習を受講します。
- 申請書類の提出と写真撮影: 更新申請書などの必要書類を提出し、新しい免許証用の写真を撮影します。
- 新しい免許証の交付: 手続きが完了すると、新しい免許証が交付されます。
まとめ
運転免許更新時の運転者講習は、安全運転を継続するために重要な役割を果たしています。自身の運転免許取得状況や違反歴を確認し、適切な講習を受講することで、最新の交通ルールや安全運転の知識を習得できます。講習の種類によって、内容や時間、手数料が異なるため、事前にしっかりと確認し、計画的に免許更新手続きを進めましょう。この記事が、あなたのスムーズな免許更新の一助となれば幸いです。安全運転を心がけ、快適なカーライフを送りましょう!