運転免許の更新とは?:受付時間と講習内容を徹底解説

運転免許の更新とは?:受付時間と講習内容を徹底解説

運転免許証は定められた有効期限内に更新手続きを行う必要があり、もし期限内に更新しなければ免許は失効してしまいます。さらに、更新時の講習の受講区分や講習内容は、免許を取得してからの年数や違反歴によってさまざまに分かれるため、更新に行く前に準備しておきたいことが多くあります。ここでは、運転免許の更新手続きにおける受付時間や講習時間、所用時間、手数料、高齢者講習や認知機能検査のポイントなどを詳しく解説します。事前に知っておくことでスムーズに手続きが進めやすくなりますので、ぜひ参考にしてください。

運転免許の更新とは

運転免許証には有効期限があり、定期的に更新しないとその効力を失ってしまいます。更新期間は有効期限の「満了する日の直前の誕生日の1か月前」から「誕生日の1か月後」までで、この期限を過ぎると通常は失効となるため、注意が必要です。万が一、更新期間内に手続きできない特別な事情(海外出張や病気療養、出産など)がある場合は、期間前更新が認められるケースもありますが、その際は有効期間が短くなるなどの注意点があります。

運転免許の更新手続きは、基本的に住所のある都道府県の運転免許試験場や免許センター、警察署などで実施されます。免許証の色や区分によって更新手続き時の受付時間帯、受講する講習の時間、手数料などが異なるため、更新連絡書にある指定場所や受付日時の確認を必ず行いましょう。なお、近年では混雑緩和や手続きの効率化を目的としたオンライン予約システムを採用する自治体も増えており、事前予約が必須となるケースも出てきています。

有効期間と免許証の区分

運転免許の更新では、過去の運転歴や違反歴などによりいくつかの区分が設けられています。免許証の色や講習時間などが大きく変わるため、あらかじめ自身の区分を把握しておきましょう。

優良運転者

過去5年間にわたって交通事故や違反歴がなく、かつ免許を継続して5年以上所有している場合は「優良運転者」となります。帯の色はゴールドで、有効期間は5年です。ただし、70歳の優良運転者は4年、71歳以上の優良運転者は3年に有効期間が短縮されます。更新時の講習時間は30分と短く、手数料もほかの区分より抑えられています。

一般運転者

軽微な違反(3点以下の違反)が1回のみあり、それ以外に大きな違反がない場合や、5年以上免許を継続所有している場合は「一般運転者」として区分されます。帯の色はブルーで、有効期間は5年です。ただし、70歳の一般運転者は4年、71歳以上の一般運転者は3年となります。講習時間は1時間で、優良運転者よりは所要時間が長くなります。

違反運転者

複数回の交通違反、またはケガを伴う事故を起こした場合には「違反運転者」となり、帯の色はブルーで有効期間は3年に短縮されます。また、更新時に受ける講習は2時間と最も長く、手数料も高めです。定期的に違反があるとゴールド免許への切り替えが難しくなるため、安全運転を心がけることが大切です。

初回更新者

免許を取得してから5年未満で、過去5年間に無事故無違反、もしくは軽微な違反が1回のみの方が対象となります。有効期間は3年で、帯の色はブルーです。講習時間は違反運転者と同じく2時間となり、手数料も同等です。はじめての更新手続きの方は手続きの流れがわからず戸惑う場合もあるため、事前に更新連絡書の内容をしっかり確認しておくとよいでしょう。

新規取得者(参考)

上記区分とは別に、免許をはじめて取得するときは帯がグリーンで、有効期間は3年とされています。ただし、更新手続き時には新規取得者は初回更新者区分へ移行します。

更新手続きにかかる所用時間

運転免許の更新手続きには、書類の記入や適性検査、写真撮影、講習受講などが含まれます。これらの手続きに要する時間は、おおむね30分から1時間程度が目安とされていますが、講習時間を含めるとさらに長くなることがあります。以下が一般的な流れです。

  1. 申請書の記入・暗証番号設定
  2. 適性検査(主に視力検査)
  3. 更新審査(手数料の支払いなど)
  4. 写真撮影
  5. 更新時講習(区分によって30分~2時間)
  6. 免許証交付

なお、即日交付が可能な運転免許試験場や免許センターと、警察署で手続きして後日交付になる場合があるため、どこで手続きを行うか事前に把握しておくとよいでしょう。また、人気のある曜日や時間帯(日曜や連休の明けなど)は非常に混雑し、受付から講習開始までに時間がかかることもあります。

受付時間と講習時間の目安

運転免許更新手続きの受付時間は、手続き場所や本人の講習区分によって異なります。以下に目安を示しますが、必ず通知はがきなどで日時・場所を確認し、可能であればオンライン予約システムがある場合は活用しましょう。

  • 優良運転者講習
    受付時間:平日 午前8時30分~午後4時、日曜 午前8時~午後4時(※11時30分~13時は一時停止など)
    講習時間:30分
  • 一般運転者講習
    受付時間:平日 午前8時30分~午後3時、日曜 午前8時~午後3時(※11時~13時は一時停止など)
    講習時間:1時間
  • 違反運転者講習・初回更新者講習
    受付時間:平日 午前8時30分~午後2時、日曜 午前8時~午後2時(※11時~13時は一時停止など)
    講習時間:2時間
  • 高齢者講習(70歳以上)
    受付時間:平日 午前8時30分~午後4時、日曜 午前8時~午後4時(※11時30分~13時は一時停止など)
    講習時間:2時間

ここに挙げた時間帯は一例であり、自治体や施設によって受付時間帯が細分化される場合があります。更新連絡書や公式サイトで最新情報を確認しましょう。

新しい免許証の交付タイミング

更新手続きの流れの中で、免許証の交付時期は大きく分けて「即日交付」と「後日交付」の2種類があります。運転免許試験場や免許センターでは基本的に即日交付となることが多いですが、警察署で手続きをした場合は後日交付になることが一般的です。さらに、受付可能時間の範囲を過ぎて手続きした場合には当日の講習が受けられず、講習や交付が改めて後日になるケースもあります。更新後の免許証をいつ受け取れるかは、生活スケジュールにも関わる重要なポイントです。手続き前に必ず確認し、無駄足とならないよう気をつけましょう。

更新時に必要な手数料と講習時間

講習時間とあわせて、支払う更新手数料(講習手数料を含む)も区分ごとに異なります。2024年2月執筆現在の一例として、主な区分の手数料と講習時間は以下のとおりです。

  • 優良運転者講習
    • 講習時間:30分
    • 手数料:3,000円(更新手数料2,500円+講習手数料500円)
  • 一般運転者講習
    • 講習時間:1時間
    • 手数料:3,300円(更新手数料2,500円+講習手数料800円)
  • 違反運転者講習
    • 講習時間:2時間
    • 手数料:3,850円(更新手数料2,500円+講習手数料1,350円)
  • 初回更新者講習
    • 講習時間:2時間
    • 手数料:3,850円(更新手数料2,500円+講習手数料1,350円)

なお、後日交付や郵送交付などの場合は、別途郵送料などの費用が発生する場合があります。更新期間に余裕がなくギリギリのタイミングで手続きに行くと、混雑状況次第では思わぬ時間を要することがありますので、なるべく早めに手続きを済ませるのがおすすめです。

高齢者講習と認知機能検査

満70歳以上の方は免許更新の前に高齢者講習を受ける必要があります。75歳以上の場合は高齢者講習に加えて認知機能検査を受検しなければ更新手続きができません。最近では75歳以上で一定の違反歴がある場合に運転技能検査が義務付けられるなど、高齢ドライバーに対する検査や講習が強化されています。

70歳以上75歳未満の高齢者講習

  • 受講可能時期:免許の有効期間満了日の6ヵ月前から
  • 講習内容:
    1. ビデオ視聴などによる座学(30分)
    2. 適性検査器を使った検査(30分)
    3. 教習所などでの運転指導(60分)
  • 講習時間:合計2時間
  • 手数料:6,450円(2024年2月執筆現在)

高齢者講習終了後、「高齢者講習終了証明書」または「運転免許取得者等教育(高齢者講習同等)終了証明書」が交付されます。

75歳以上の認知機能検査

75歳以上の方は、高齢者講習の前に認知機能検査を受検する必要があります。認知機能検査は記憶力や判断力の低下を測るための検査で、ここで一定点数を下回った場合には医師の診断書を提出するか臨時適性検査を受けることになります。認知症と診断された方は免許停止・取消しの対象です。

  • 検査時間:30分
  • 手数料:1,050円(2024年2月執筆現在)

認知機能検査を受け、その判定結果により高齢者講習を受講する流れとなります。また、2022年(令和4年)5月13日の法改正以降は、75歳以上の一定違反歴のあるドライバーを対象に運転技能検査が課されるなど、条件に応じて追加の検査が必要になる点に留意しましょう。

更新手続きの詳細や場所

更新手続きは、都道府県によって対応や受付時間が異なります。多くの場合、以下の場所で受け付けられます。

  • 運転免許試験場
  • 運転免許センター
  • 各警察署(※一部の警察署では実施していない場合や、取り扱い時間が限定される場合あり)

試験場や免許センターでは即日交付が可能なことが多いですが、警察署での手続きは基本的に後日交付となり、更新時講習も別日程で受講するパターンがあります。特に違反運転者や初回更新者は講習時間が2時間となるため、警察署での手続きでは日を改めて講習を受ける方式が一般的です。

さらに、オンライン予約システムで予約が集中しているところは、希望日時がすぐに埋まってしまうこともあります。混雑時期は通常よりも待ち時間が長くなることを考慮し、余裕をもって行動するのが望ましいでしょう。

必要書類と持ち物

更新手続きに行く際、以下のものを基本的に持参してください。

  • 現在の運転免許証(マイナ免許証を併用している方は両方)
  • 更新連絡書(通知はがき)
  • 手数料(現金または指定の支払い方法。コンビニ納付が可能な場合も)
  • 写真1枚(警察署で手続きする場合のみ。試験場や免許センターでは不要が多い)
  • 本籍・氏名を変更した方は、本籍が記載された住民票の写し(コピー不可)
  • 転居などで免許証の住所を変更している場合は、住民票の写しまたは消印のある郵便物など新住所を証明できるもの
  • 眼鏡や補聴器など(必要な方)
  • 70歳以上の方は、高齢者講習終了証明書等(受講済みの場合)
  • 75歳以上の方は、認知機能検査結果通知書や運転技能検査結果証明書など(対象者のみ)

出産や長期入院、海外出張などのやむを得ない理由で期間内に行けない場合の期間前更新手続きでは、母子手帳やパスポートなど、その理由を証明できる書類を提示する必要があります。事前に必要書類を十分確認し、不備がないようにしましょう。

更新手続き全体の流れと注意点

  1. 予約や受付時間の確認
    最近はオンライン予約制を導入している自治体も増えています。通知はがきに記載されている連絡先や公式サイトをチェックしましょう。
  2. 更新連絡書・必要書類を準備
    写真が必要かどうか、手数料を現金で用意するのか、コンビニ納付が可能か、マイナ免許証を併用している場合は両方のカードが必要かなどを確認します。
  3. 窓口で申請書の記入、暗証番号の設定
    運転免許証のICチップ不正読み取り防止のため、4桁×2組の暗証番号を設定します。マイナ免許証も併用する場合は4桁の数字を追加で設定するケースがあります。
  4. 適性検査(視力検査など)
    申請者の身体上の適性を確認するために行われます。メガネや補聴器が必要な方は必ず持参しましょう。
  5. 写真撮影
    写真を事前に用意する必要があるかどうかは、申請先によって異なります。
  6. 手数料の支払い
    窓口もしくは指定の方法で支払いを行います。コンビニ納付が可能な場合は、事前に納付してから受付に行くことで、窓口での時間を短縮できます。
  7. 更新時講習受講
    自身の講習区分に応じて30分~2時間受講します。違反運転者や初回更新者は2時間、優良運転者は30分、一般運転者は1時間です。
  8. 免許証の交付
    試験場や免許センターであれば即日交付、警察署なら後日交付が一般的ですが、受付時間や手続き内容によっても変動します。

注意したいのは、更新時講習を受けないまま有効期限が過ぎると免許が失効してしまう点です。特に警察署手続きで講習が後日になる場合、必ず指定された日に受講しましょう。また、高齢者の方は別途高齢者講習や認知機能検査があり、スケジュール調整が複雑になりやすいので十分に余裕をもって行動することが重要です。

令和7年3月24日からの変更点(マイナ免許証導入など)

令和7年3月24日からは、マイナンバーカードと運転免許証を一体化させる「マイナ免許証」が導入予定です。現行の運転免許証のみ保有する方、マイナ免許証のみ保有する方、両方を保有する方などで更新手数料が変わることが見込まれています。また、オンライン講習制度が導入されるなど、これまでと異なる仕組みが新設されるため、更新の際は新たな手続き方法に注意してください。特に両方保有している方は、更新時に必ず免許証とマイナンバーカードの両方を持参しなければ手続きが進まないケースがあります。

更新手続きをスムーズに行うためのポイント

  • 早めに動く
    特に誕生日直後などは混雑が予想されるため、予約が取りにくい場合もあります。更新期間が始まったら早めに日程を決めるのが吉です。
  • 必要書類を前日までに確認
    写真の規格や手数料の納付方法、本籍が必要かどうかなど、直前に焦らないようチェックしておきます。
  • 自身の講習区分をしっかり把握
    区分によって受付時間や講習内容、手数料が変わるため、通知はがきや公式情報で確かめておきましょう。
  • 健康状態の申告を忘れずに
    病気療養中や身体に障がいがある場合、適性検査や医師の診断書提出が必要になることがあります。事前相談をしておくと安心です。
  • 高齢者は特に早めの受講・受検を
    70歳以上は高齢者講習、75歳以上は認知機能検査も絡むため、予約が集中することもあります。混雑を避けるためにも、通知がきたら早めに手続きしましょう。

まとめ

運転免許の更新は、有効期限内に正しい手続きと講習を受けることが何より大切です。更新手続きにかかる時間は、適性検査や写真撮影などでおおむね30分~1時間が目安ですが、講習時間は優良運転者の30分から違反運転者・初回更新者の2時間まで区分によってさまざまです。また、高齢者講習や認知機能検査が必要な方は、通常の更新よりもさらに時間がかかる可能性があります。手続き先によっては即日交付か後日交付かが異なる点にも注意しましょう。とくに受付時間や混雑状況は地域ごとに変わるため、通知はがきや自治体サイトの情報をよく確認し、余裕をもって行動するのがおすすめです。

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