車を運転する際に、交通違反を犯してしまうと、警察官から「切符」を切られることがあります。この切符には、青色の「青切符」と赤色の「赤切符」の2種類があることをご存じでしょうか?
どちらも交通違反をした際に切られる切符ですが、違反の程度やその後の手続きに大きな違いがあります。この記事では、青切符とは何か、違反点数や反則金、赤切符との違い、そして無視した場合どうなるのかについて、詳しく解説していきます。
交通違反を未然に防ぎ、安全運転を心がけるためにも、ぜひこの記事を参考に、青切符と赤切符の違いを正しく理解しておきましょう。
青切符とは?
青切符とは、正式名称を「交通反則告知書」といい、比較的軽微な交通違反をした際に切られる切符です。交通違反をした場所や日時、違反内容、反則金額などが記載されています。青切符は「告知票」と「納付書」の2枚で構成されており、告知票には違反内容が、納付書には反則金の額と納付期限、納付場所などが記載されています。
青切符が切られるのは、「反則行為」と呼ばれる交通違反です。反則行為とは、主に道路交通法で定められた、比較的軽微な違反を指します。反則行為に対しては、刑事罰(懲役や罰金)ではなく、反則金を納付することで手続きが完了する「交通反則通告制度」が適用されます。
青切符を切られた場合は、指定された期日までに反則金を納付することで、刑事罰を免れることができます。つまり、反則金を納付すれば、前科はつきません。
青切符の対象となる主な違反と反則金
青切符が交付される主な交通違反と、それぞれの反則金について、いくつか例を挙げて説明します。
スピード違反
一般道で時速30キロメートル未満、高速道路で時速40キロメートル未満の速度超過が対象となります。超過速度に応じて反則金が異なり、例えば一般道で15キロメートル以上20キロメートル未満の超過の場合、普通車で12,000円の反則金が科せられます。
駐停車違反
駐車禁止場所に駐車した場合や、停車禁止場所に停車した場合に適用されます。駐車方法や場所によって反則金が異なり、例えば、駐車禁止場所に駐車した場合、普通車で15,000円の反則金が科せられます。
信号無視
信号無視には、「赤色等」と「点滅」の2種類があります。「赤色等」とは、赤信号や黄色信号を無視すること。「点滅」とは、赤色の灯火の点滅信号を無視することを指します。いずれも違反となり、赤色等の無視の場合、普通車で9,000円の反則金が科せられます。
一時不停止
一時停止の標識がある場所や、見通しの悪い交差点で一時停止をしなかった場合に適用されます。普通車で7,000円の反則金が科せられます。
通行禁止違反
一方通行路の逆走や、車両通行止めの道路を通行した場合などに適用されます。普通車で7,000円の反則金が科せられます。
携帯電話使用等
運転中に携帯電話で通話したり、画面を注視したりした場合に適用されます。普通車で18,000円の反則金が科せられます。
これらは一例であり、他にも様々な違反が青切符の対象となります。最新の情報や詳細は、警視庁のウェブサイトなどで確認することをお勧めします。
違反点数について
青切符が切られる交通違反には、違反点数が定められています。違反点数とは、過去3年間の交通違反に対して加算される点数で、累積点数に応じて免許停止や免許取消などの行政処分が科せられます。
青切符の対象となる違反の点数は、違反内容によって異なりますが、多くは1点から3点です。例えば、速度超過(一般道、15キロメートル以上20キロメートル未満)は2点、駐車違反(駐停車禁止場所)は2点、信号無視(赤色等)は2点、一時不停止は2点、携帯電話使用等(保持)は3点です。
累積点数が6点以上になると免許停止処分、15点以上になると免許取消処分となります。ただし、過去1年間無事故無違反であった場合や、違反者講習を受講した場合などは、特例として点数が消去される場合もあります。
赤切符との違い
赤切符は、正式名称を「道路交通法違反事件迅速処理のための共用書式」といい、青切符の対象となる反則行為よりも、より悪質または危険性の高い交通違反をした際に切られる切符です。
赤切符と青切符の最も大きな違いは、赤切符が切られると刑事罰の対象となる点です。赤切符を切られた場合は、交通反則通告制度の適用を受けず、裁判所から呼び出しを受け、刑事手続きが進められます。
赤切符の対象となる主な違反
赤切符の対象となる主な違反は、飲酒運転、無免許運転、一般道で時速30キロメートル以上、高速道路で時速40キロメートル以上の速度超過、過労運転、麻薬等運転など、重大な過失や危険運転とみなされる行為です。
罰則の違い
青切符は反則金を納付することで手続きが完了しますが、赤切符は刑事手続きに進み、裁判の結果、罰金刑や懲役刑などの刑事罰が科せられる可能性があります。また、反則金とは異なり、裁判で決定される罰金には前科がつくことになります。
違反点数について
赤切符の対象となる違反は、違反点数が6点以上となるため、多くの場合、一発で免許停止処分となります。例えば、酒酔い運転は35点、無免許運転は25点、一般道で時速30キロメートル以上、高速道路で時速40キロメートル以上の速度超過は6点です。
このように、赤切符は青切符と比べて、違反内容、罰則、違反点数のいずれにおいても、より重い処分が科せられることになります。
青切符を無視するとどうなる?
青切符を切られたにもかかわらず、指定された期日までに反則金を納付しなかった場合、どのような事態になるのでしょうか?以下、段階を追って説明します。
通告書の送付
反則金の納付期限を過ぎると、警察から「通告書」が送付されます。通告書には、再度設定された納付期限と、当初の反則金に郵送料を加えた金額が記載されています。この段階で反則金を納付すれば、刑事手続きに移行することはありません。
督促状の送付
通告書が送付されたにもかかわらず、反則金を納付しなかった場合、さらに「督促状」が送付されます。督促状にも納付期限が記載されており、この期限内に納付しなければ、刑事手続きに移行する可能性が高まります。
刑事手続きへの移行(逮捕・送検)
督促状を無視し、反則金を納付しないままでいると、最終的には刑事手続きに移行し、逮捕・送検される可能性があります。逮捕されると、警察署に連行され、取り調べを受けることになります。送検とは、警察が捜査した事件を検察庁に送ることで、その後、検察官が起訴するかどうかを判断します。
裁判と刑罰
検察官が起訴すると、裁判が行われ、有罪判決が下されれば、罰金刑や懲役刑などの刑事罰が科せられます。この場合、前科がつくことになります。
財産の差し押さえ
反則金を支払わず、裁判で罰金刑が確定してもなお支払いに応じない場合、最終的には検察庁から財産の差し押さえが行われる可能性があります。給与や預貯金、不動産などが差し押さえの対象となります。
免許停止・取消
反則金を支払わない場合、違反点数は消去されず、累積点数によっては免許停止や免許取消の行政処分を受けることになります。
このように、青切符を無視し、反則金を納付しないと、最終的には逮捕や財産の差し押さえなど、非常に重いペナルティを受けることになります。反則金を納付すれば済むはずだった軽微な違反が、人生を大きく左右する事態に発展してしまう可能性があるのです。
反則金を支払えない場合の対処法
経済的な事情などで、どうしても反則金を支払えない場合はどうすればよいのでしょうか。そのような場合は、まず警察署に相談することをお勧めします。分割払いが認められるケースもあります。
また、弁護士に相談するのも一つの方法です。弁護士は、警察や検察との交渉や、裁判での弁護活動を通じて、あなたの権利を守ってくれます。
いずれにせよ、反則金を支払えないからといって放置せず、早めに適切な対処をすることが重要です。
まとめ
青切符は、比較的軽微な交通違反に対して交付される切符であり、指定された期日までに反則金を納付すれば、前科がつくことなく手続きが完了します。一方、赤切符は、より悪質または危険性の高い交通違反に対して交付され、刑事罰の対象となります。
青切符を無視し、反則金を納付しないと、最終的には逮捕や財産の差し押さえなど、非常に重いペナルティを受けることになります。反則金を支払えない場合は、早めに警察や弁護士に相談することが大切です。
交通ルールを守り、安全運転を心がけることが、青切符や赤切符を切られないための最も重要な対策です。この記事を参考に、交通違反に関する正しい知識を身につけ、安全で快適なカーライフを送りましょう。